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勉強、仕事のときにおなかがすく理由は? 甘い物&スナック菓子を食べても大丈夫? 専門家に聞いてみた

勉強やデスクワークのときにおなかがすいた場合、甘い食べ物やスナック菓子などを食べても問題ないのでしょうか。専門家に聞きました。

勉強やデスクワークの際におなかがすく理由は?
勉強やデスクワークの際におなかがすく理由は?

 勉強やデスクワークの際に、急に何か食べたくなることがあります。頭を使う作業のときにおなかがすくのはなぜでしょうか。こうしたときに、甘い食べ物やスナック菓子などを食べても問題ないのでしょうか。栄養医学に詳しい、臨床分子栄養医学研究会 認定カウンセラーの木村侑乎(きむら・ゆうこ)さんに聞きました。

「集中力低下」「イライラ」の原因に

Q.勉強やデスクワークといった、頭を使う作業のときにおなかがすくことがありますが、なぜでしょうか。考えられる理由について、教えてください。

木村さん「脳の主要なエネルギー源は『糖』ですが、勉強やデスクワークなどの頭を使う作業のときに、脳は糖を大量に消費します。従って、長時間勉強やデスクワークをすると血糖値が低下し、空腹を感じることがあります。集中力を維持するためには、血糖値を正常に保つ必要があります」

Q.勉強やデスクワークの際に空腹を感じた場合、どのような食べ物を摂取するとよいのでしょうか。お勧めの食べ物について、教えてください。

木村さん「血糖値の急上昇は低血糖を引き起こしやすくなり、空腹をより感じやすくなります。そこで、目安とすべきなのが食後血糖値の上昇度を示す指標『GI(グリセミック・インデックス)』です。食品にはGI値が設けられており、GIが70以上の高GI値の食品(白米、パンなど)を避け、GIが55以下の低GI値の食品(ナッツ類、干し芋、ゆで卵)を選ぶことが重要です。

脂質とタンパク質が含まれる食品を摂取すると、血糖値を維持しやすくなります。お勧めの食品は、低脂肪ヨーグルトや卵、ナッツ類、キウイ、イチゴ、ブルーベリーなどです」

Q.勉強やデスクワークの際に空腹を感じた場合、甘い食べ物やスナック菓子などを食べても問題ないのでしょうか。

木村さん「甘い食べ物やスナック菓子は、急激に血糖値を上げるものが多く、一時的に勉強や仕事のパフォーマンスは上がります。ただし、急激な血糖値の上昇はインスリンの過剰分泌を引き起こし、血糖値の乱高下につながります。血糖値の乱高下は、集中力の低下やイライラなどの原因になるので、できるだけ控えた方がよいでしょう。

菓子の種類でも特に『果糖ブドウ糖』や人工甘味料が入っているものは血糖値を急激に上げます。コンビニスイーツやスナック菓子などは、長期的にはパフォーマンスを低下させる食べ物だと考えておいた方がよさそうです」

Q.勉強やデスクワークのときに空腹を我慢して作業を続けた場合、体にどのような影響があるのでしょうか。

木村さん「空腹を我慢して作業を続けると、まず集中力が低下します。これは、いわゆる脳のエネルギー切れ状態です。

脳に糖が補給されなくなると、血糖値を維持するためにアドレナリンやノルアドレナリンといった神経伝達物質が分泌されますが、その際に『イライラ』や『不安』などの感情を引き起こすため、作業効率が下がります。他にも、空腹を我慢すると過食を引き起こしやすいので、肥満のリスクが高まります。

つまり、勉強やデスクワークの際に空腹を我慢したまま作業を続けても、あまりメリットがありません。長期的には健康を害する恐れがあるので、ヘルシーな間食を常備しておくことをお勧めします」

(オトナンサー編集部)

【要注意】甘い食べ物は集中力を低下させる! 勉強&デスクワークのときにお勧めの食べ物を一挙公開!

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木村 侑乎(きむら・ゆうこ)

一般社団法人ファイブツーダイエット協会 理事 

ダイエットとリバウンドを繰り返し、体調を崩す中、断続的断食の一つである「5:2ダイエット」を試したところ、10キロ以上の減量とリバウンドの克服、さらには長年悩まされてきた体調不良の改善に成功。そこで、「ファイブツー(5:2)ダイエット」として、この断食法の普及に力を入れている。特に40代から更年期世代の女性の不調に対するアプローチが得意。臨床分子栄養医学研究会 認定カウンセラー/日本ニュートリション協会(JNF)認定サプリメントアドバイザー。一般社団法人ファイブツーダイエット協会(https://jif-association.com/)。

美ST 2023年6月号「40代から目指す老けないダイエット」特集内の「5:2ダイエットで-12kg」で自身のビフォーアフターが掲載された。

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