新社会人が今のうちに身に付けておきたい「5つのビジネスマナー」とは? マナーコンサルタントが解説
ビジネスパーソンに不可欠な「ビジネスマナー」。新社会人が、できるだけ早めに押さえておきたいビジネスマナーについて、マナーコンサルタントが解説します。

この春から社会に出た「新社会人」にとって、ビジネスパーソンとして成長していく上で欠かせない第一歩が「ビジネスマナー」ではないでしょうか。ビジネスマナーは多岐にわたるため、これから社会人として経験を積む中で少しずつ体得していくものと思いますが、その中にはなるべく早い段階から身に付けておくことが理想的なマナーも存在します。
そこで、新社会人が入社後、早めに押さえておくべき「ビジネスマナー」について、一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」(東京都港区)代表理事でマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに聞きました。
「感じのいい表情」でコミュニケーションが円滑に
Q.新社会人に必要なビジネスマナーは数多く存在すると思いますが、中でも「できれば早いうちに身に付けておくことが理想」「社会人として最低限必要」といえるのは、どんなマナーでしょうか。
西出さん「ビジネスマナーというと、電話応対のせりふや、名刺交換の型を覚えることと思っている人もいらっしゃいます。もちろん、それも大切なことです。しかし、その一歩手前にある『なぜそのような言葉遣いや型を行うのか?』という理由を理解しておくと、型で覚えたシチュエーションと異なる場面に遭遇しても、慌てずに対応できます。
マナーは強制するものでも、されるものでもありません。お互いに相手の立場に立ってみて、互いを思いやる気持ちが本来のマナーです。ビジネスマナーは、相手の立場に立ってみる“想像力”と“考動力”が前提にあり、結果的に収益を生み出していくものです。そうすることで、相手を不快にさせない配慮のある人、相手をプラスの感情にさせる人として、あなたが評価をされたり、感謝されたりする人になるわけです。もちろん、そうすることで、相手にプラスをもたらせられるのはいうまでもありません。このように、ウインウイン、ハッピー×ハッピーの関係を構築するために、マナーは必須なのです。
ビジネスシーンにおいて、今すぐ役立つマナーは次の5つです」
【(1)表情のマナー】
初対面の人と接するとき、相手はあなたの表情や態度、身だしなみなど、視覚から感じたことを第一印象とし、無意識のうちに「感じがいい/悪い」「もっと話をしたい/したくない」などの感情を抱きます。まずは上司や先輩、お客さまや取引先などの方々から「感じのいい人ね」と思ってもらえると、その後のコミュニケーションが取りやすくなります。そのためにも「表情」を意識してみてください。
感じのいい表情は「デュセンヌ・スマイル」といわれる、口角が上がり、目がほほ笑んでいる笑顔です。「デュセンヌ・スマイル」は、フランスの神経学者・デュセンヌ博士の研究結果に基づき、“本物の笑顔”として定義されています。口角を上げ、歯を何本か見せるだけでは“本物の笑顔”とはいえません。鏡やスマホなどを利用して、自身の目の表情チェックを行ってみましょう。
目をほほ笑ませることが難しいと感じる人は、好きな食べ物や趣味、屈託のない赤ちゃんのスマイルなどを想像してみてください。すると、自然にあなたの心はほほ笑み、同時に目もほほ笑んでいることでしょう。
日常では、自分の感情に任せてあからさまに「嫌だなー」というふてくされた表情をすることは避けましょう。社会人として仕事や生活をする上で、感情のコントロールもマナーと心得てくださいね。
一方で、障害など何らかの事由で目をほほ笑ませることができないこともあると思います。そうした人もいる、そういう場合もあるということを互いに理解し合い、一概に見た目だけで決めつけないこともマナーの一つです。
【(2)態度のマナー】
先述のように、人は視覚からの情報でその人のことを決めつけてしまう傾向があります。例えば、「ペン回しをする」「腕を組みながら上司の話を聞く」「うつむき、目を合わせない」などの態度、姿勢をしていると、残念なことに「仕事に集中していない」「横柄だ」「やる気がない」などと勝手に評価をされてしまうことがあります。本人にしてみれば「悪気はないのに…」と思うでしょう。
社会にはさまざまな考え方の人がいます。他者から誤解されないためにも、態度や姿勢も意識して、相手が心配したり、不快になったりしないよう配慮する気持ちも備えていきましょう。
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