「果汁100%」ジュースかどうかはパッケージで分かる? 見極めのコツを業界団体に聞く
“果汁100%ジュース”を購入したい場合、どのように商品を選べばよいのでしょうか。全国清涼飲料連合会に聞きました。

フルーツジュースである「果実飲料」には、果汁が100%含まれた商品や、果汁のほかに砂糖類を含んだ商品などがあります。いわゆる“果汁100%ジュース”を購入したい場合、どのような商品を選べばよいのでしょうか。商品選びのコツについて、一般社団法人全国清涼飲料連合会(東京都千代田区)の広報担当者に聞きました。
「輪切りにされた果実」のイラストなどが目安
全国清涼飲料連合会によると、「果実飲料」は「果実飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」に基づき、次の5種類に分類されるということです。
(1)果実ジュース
果汁が100%含まれた飲料。
(2)果実ミックスジュース
主に2種類以上の果実の搾汁もしくは還元果汁を混合した飲料など。
(3)果粒入り果実ジュース
主に果実の搾汁もしくは還元果汁に「かんきつ類の果実の砂のう(果汁を含んだ小さな果肉の粒)」もしくは「かんきつ類以外の果実の果肉を細切りにした果粒」などを加えた飲料など。
(4)果実・野菜ミックスジュース
主に果実の搾汁もしくは還元果汁に野菜汁を加えた飲料など。
(5)果汁入り飲料
主に果汁を10%以上100%未満含んだ飲料など。
では、果汁が100%含まれた「果実ジュース」を選びたい場合、どうすればよいのでしょうか。担当者は「『果実飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則』に基づき、『果実ジュース』『果粒入り果実ジュース』のほか、野菜汁が入った『果実・野菜ミックスジュース』は、『果実から果汁のしずくが落ちているなどの表示』『果実のスライスなどの表示』が認められています」と説明します。
つまり、果実ジュースを購入したい場合は、「果実から果汁のしずくが落ちている写真やイラスト」「輪切りにされた果実の写真やイラスト」が掲載されている商品を選ぶとよいそうです。
パッケージに掲載された写真やイラスト以外で、果実ジュースかどうかを見極める方法はあるのでしょうか。担当者は「商品名と同じ面に『果汁100%』と表示(任意表示)があることや、品名や原材料などが書かれた『一括表示』に『ストレート』または『濃縮還元』と記載されていることが挙げられます」と話していました。
なお、製造事業者が「果汁入り飲料」や「その他の飲料」(果汁10%未満の果汁飲料のこと)のパッケージに「果実から果汁のしずくが落ちている写真やイラスト」「輪切りにされた果実の写真やイラスト」を掲載した場合や、果汁5%未満の飲料のパッケージに果実の実物写真やリアルな果実のイラストを記載した場合、それぞれ不当表示に該当し、果実飲料公正取引協議会による調査、警告などが行われる可能性があるということです。
「ストレート」と「濃縮還元」の違いは?
最後に、果実ジュースの一括表示に記載されている「ストレート」と「濃縮還元」の違いについて聞いたところ、担当者は「『ストレート』は搾った果汁を加熱殺菌などし、充填(じゅうてん)したもの、『濃縮還元』は搾った果汁に含まれる水分を飛ばし濃縮した後、再び水分を加え元の濃度に戻したものです」と回答してくれました。
その上で、「海外で製造された果汁を輸入する場合、濃縮して体積を小さくした分だけ輸送コストを抑えることが可能です。また、濃縮することで糖度が高くなる分、保存性も向上するといわれています。しかし、一般的には濃縮すると水分とともに、風味も飛んでしまうといわれています」と、濃縮還元のメリット、デメリットを教えてくれました。
店頭でフルーツジュースを購入するときにパッケージを確認すると、違った発見があるかもしれません。
(オトナンサー編集部)
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