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妊娠中の「ジャンクフード」危険? 「無性に食べたくなる」のはなぜ? 産婦人科医に聞いた

「妊娠中、無性にジャンクフードが食べたくなった」という経験のある女性が多いようですが、「妊娠中に食べるのは危険では」と考える人もいます。実際のところはどうなのか、産婦人科医に聞いてみました。

ジャンクフード、妊娠中に食べてもいいの?
ジャンクフード、妊娠中に食べてもいいの?

「脂っこい」「塩分が高い」「カロリーが高い」食べ物、いわゆる「ジャンクフード」を、「妊娠中、無性に食べたくなった」という経験のある女性は少なくないのではないでしょうか。一般的に、ジャンクフードには“健康によくない”イメージがありますが、妊娠中にどうしてもジャンクフードが食べたい欲求を抑えきれない、あるいは「ジャンクフードしか食べたくない!」状態に陥ったことのある女性からは、「妊娠中、とにかくフライドポテトが食べたい時期があった」「毎日ファストフードが食べたくて仕方なかった」といった体験談が聞かれる他、「妊娠中のジャンクフードは危険?」「我慢すべき?」といった疑問の声もあります。

 妊娠中にジャンクフードを食べるのは、やはり危険なのでしょうか。産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。

少量なら食べても問題ないが…

Q.妊娠中、「無性にジャンクフードが食べたくなる」「ジャンクフードしか食べたくない」ことがあるのはなぜですか。

尾西さん「妊娠中にジャンクフードが食べたくなるのは、妊娠している期間中、赤ちゃんに血液を送らないといけない分、母体の血液が増えるためと考えられます。血液の中には塩分や糖が含まれていますが、妊娠中はそういった成分が不足しやすいです。ジャンクフードは濃いめの味付けになっていることが多く、塩分や糖分が多く含まれているため、そうした食べ物を欲してしまうのだと思われます。

また、妊娠初期は特に味覚の変化が起きやすく、特定の食べ物ばかりを食べたくなるといったことも起こります。ちなみに私は妊娠中、夏なのにグラタンばかり食べたくなりましたし、知人はたらこパスタばかり食べていました。どちらも塩分強めですよね」

Q.妊娠中、ジャンクフードが食べたくなりやすい女性の特徴はありますか。

尾西さん「味覚に関する変化は、特に妊娠の初期で見られることが多く、マタニティー情報サイト『ニンプス』にて耳鼻咽喉科の専門医が行った調査によると、妊娠の前期に嗜好(しこう)の変化があった人は92.8%、味覚低下があった人は56.7%と高頻度にみられます。

つわりが落ち着くと味覚の低下も改善すると報告されており、つわりの時期に起こる味覚の変化には、ミネラルなどの栄養不足が影響しているのではないかと考えられます。特に、亜鉛が不足すると味覚変化を来すことが知られているので、普段から栄養の偏った食事を取っている人はより、ジャンクフードが食べたくなりやすいといえます」

Q.実際のところ、妊娠中にジャンクフードを食べても問題ないのでしょうか。それとも、食べるのは危険なのでしょうか。

尾西さん「少量であれば食べても問題ありませんが、食事の代わりにジャンクフードを食べたり、多量に食べたりすると塩分、糖分の取り過ぎになってしまいます。妊娠中に塩分、糖分を摂取し過ぎると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが上昇し、母体・胎児の両方に悪影響が及ぶ状態になってしまうため、取り過ぎには注意が必要です」

Q.妊娠中、どうしても我慢できずにジャンクフードを食べる際の注意点は。

尾西さん「まずは『食べ過ぎないこと』を念頭に置きつつ、食べてしまってもきっちり3食の食事で、野菜など塩分や糖分の排出を促すものを積極的に食べるようにしましょう」

(オトナンサー編集部)

尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(神谷町WGレディースクリニック院長)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性の全ての悩みに応えられるかかりつけ医として、都内の産婦人科クリニックに勤務。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

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