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学生時代に感じた“性教育”への違和感描く漫画 「わかる」「泣けた」と反響、作者に聞く

「性教育」をテーマにした漫画が話題に。作者が、性教育への違和感を元に描いたもので「わかる」「泣けた」といった声が上がっています。

性教育を描いた漫画の1カット=さやえんどう(@mamepina)さん提供
性教育を描いた漫画の1カット=さやえんどう(@mamepina)さん提供

「性教育」をテーマにした漫画がSNS上で話題となっています。作者が学生時代、性教育に感じた違和感を元に描いたもので、「わかる」「泣けた」「学校では教えられない」といった声が上がっています。漫画の作者に話を聞きました。

友人の話をきっかけに漫画化

 漫画は、中学校時代の性教育を回想する場面から始まります。作者は、ビデオ上映後に男性教師が言い放った「特に女子はきをつけるように」という言葉に違和感を覚えます。当時のモヤモヤした感情を引きずっていた作者が友人に話したところ、予想もしなかった話が出て…という展開です。

 漫画を描いたのは、イラストレーターのさやえんどうさん(ペンネーム)。15年ほど、雑誌の挿絵や年賀状のイラストなどを制作していました。2014年12月に漫画アプリ「comico(コミコ)」で育児エッセイ漫画「ばぶらぶ」の連載をスタート。最近は、漫画のキャラクターの出来事をイラストにしてツイッターにアップしています。

Q.漫画を描き始めたのはいつからですか。

さやえんどうさん「幼少時にチラシの裏に描き始め、小学生になってからはノートにストーリー漫画を描いていました。イラストレーターの仕事の傍ら、10年前に不妊治療体験の4コマ漫画約200本を描き、ブログ(現在は閉鎖)にアップしました。4年前にはcomicoで『ひっこしマニア』(完結)も描かせていただきました」

Q.この漫画を描いたきっかけは。

さやえんどうさん「女性が被害に遭う理不尽な事件が多く、疑問と怒りを感じていた時、『性犯罪が起きるたび、男の子の親としてどう教育していけばよいのか分からなくなる』という内容のツイートを見てハッとしたことがきっかけです。

同じ親として深く共感しました。そこで友人の言葉を思い出し、問題解決の糸口の一つになれるかもしれない、という思いで漫画にしました」

Q.学生時代の性教育はどのような状況でしたか。

さやえんどうさん「中学時代は『堕胎は罪』というイメージを刷り込まれただけでした。体育教師は、堕胎は女性の身体に降りかかる問題として『特に女子は気を付けるように』と言ったのかもしれません。

しかし、男子学生が『妊娠トラブルは女子の問題で自分には無関係』と考えてしまう怖さがあると思いました。当然、妊娠は女性だけで成立するものではありません。『男女共に気を付けるように』と言ってほしいというモヤモヤした気持ちが残りました」

Q.大人になってから、気持ちに変化はありましたか。

さやえんどうさん「親になり、子どもに性教育について話すと『何かあったら傷つくのは女性だから』と、女性被害者の視点になっていることに気付きました。自分の知識が貧弱で偏っていると。

そんな時、男の子の親である私に友人が語った言葉で目から鱗が落ちました。『目の前にいる相手=たくさんの年数をかけて人生を築いてきた、自分と同じく大切に扱われるべき一人の人間』だと。自分も含めて多くの人がこの当たり前の視点を持つことで、世の中や人間関係がもっと明るいものになればと願っています」

Q.ご友人は米国で子どもを育てられたそうですが、やはり日本とは違うのでしょうか。

さやえんどうさん「米国では性教育に関して、きちんと配慮されているそうです。例えば授業で性教育に関するDVDを見せる場合、見せていいかを事前に親に確認します。親向けにDVDの試写会も行っており、子どもに見せるのは時期尚早と親が判断した場合、子どもに別の勉強をさせることもできます。親子で情報を共有できるので、性について、家庭で話し合うことのできる良い取り組みだと感じました」

Q.読者からはどのような意見が寄せられていますか。

さやえんどうさん「こういう性教育を『性脅育』と呼ぶというご意見があり驚きました。素晴らしい性教育の実例のご紹介もあり、とても勉強になりました」

Q.今後、取り組んでいきたいことは。

さやえんどうさん「日本の頑張りすぎるお母さんたちが、もっと楽して、もっと子育てを楽しめるように、いろいろな国の子育て情報を発信していくことです。男女関係なく『子育ては楽しい』『子どもは面白い』という世の中になるといいなと思っています」

(報道チーム)

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