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パルムドール受賞作「万引き家族」で親子役 リリー・フランキー&城桧吏がお互いを斬る!

カンヌ国際映画祭で「パルムドール賞」を受賞した、是枝裕和監督の「万引き家族」で、親子役を務めたリリー・フランキーさんと城桧吏さんにインタビュー。互いの印象などを聞きました。

リリー・フランキーさんと城桧吏さん
リリー・フランキーさんと城桧吏さん

 是枝裕和監督が、家族や社会をテーマに10年間かけて構想し、先日行われたフランスのカンヌ国際映画祭でコンペティション部門最高賞「パルムドール賞」を受賞した「万引き家族」(6月8日公開)。同作は古い平屋に、家主である初枝(樹木希林さん)の年金目当てに、治(リリー・フランキーさん)、妻の信代(安藤サクラさん)、息子の祥太(城桧吏さん)、信代の妹・亜紀(松岡茉優さん)が暮らしています。彼らは社会の底辺にいるような一家でありながら、笑いの絶えない日々を送っていますが、ある事件をきっかけにバラバラになってしまい……家族とは何かを問いかけるヒューマンドラマです。

 オトナンサー編集部ではこのほど、親子役を務めたリリーさんと城さんにインタビューを実施。お互いの印象やお気に入りのシーン、撮影順番などを聞きました。

「桧吏」から「祥太」になっていった

Q.リリーさんは是枝監督とは4回目ですが、何か注文などはありましたか。

リリーさん(以下敬称略)「『そして父になる』もそうでしたが、こんなに長く撮影をやったのは初めてです。いろいろ考えることもありましたが、是枝さんからは『でくの坊の父でいてください、ずっと成長しないでいてください』と言われました。

それは祥太の目線で物語が動いていくからです。最初に、二人で遊んでいるように万引きしているところから、だんだん祥太が罪悪感を抱き始め、お父さんを見る目が『この人は悪い人なんじゃないか』と変化していく。なので、お父さんは成長しないほうがいいわけですね」

Q.城さんはオーディションだと聞きましたが、どんなオーディションでしたか。

城さん(以下敬称略)「オーディションに行ってから、その場で台本を渡されて『これを言ってください』みたいに言われて演技をしました」

Q.是枝監督は家族をテーマにした作品が多いですね。

リリー「是枝さんは家族の物語を多く撮っていて、今回は家族の中で起きているお金の問題や教育の問題、家族の性も撮っている。例えば祥太なら思春期だし、僕とサクラさんは夫婦の性、松岡さんは性を仕事にしているし」

Q.撮影はどこから撮り始めたのでしょうか。

リリー「冬のシーンだったかな。ほぼ順撮りでした。スーパーで祥太と一緒に万引きをするシーンがほぼ最初だったかな」

Q.是枝監督は順撮りが多いのでしょうか。

リリー「完全順撮りじゃないですが、ほぼ順撮りです。子どもたちがいる時は、順撮りの方がいいんだと思います。俺らもその方がいいですし、監督も人物たちが動いてきたら、流れに合わせて設定なども変えることもできますしね」

城「僕は特に何も言われていませんが、セリフも直前に教えてもらうので、ギリギリまで何をすればいいかわかっていない状態で入っていました」

リリー「彼は自分が出ているシーンは覚えているけど、出ていないシーンは何も知らないから予想がつかないんですよ」

Q.お互いの印象を教えてください。

リリー「きれいな顔の子だと思いました。一緒にお芝居すると、是枝さんが選んだ理由がわかりました。同じ11歳の中でも子どもだと思うんですよ。最初の頃、万引きしてキャーキャー言って、そんな祥太もすごく良いんだけど、話が進んでどんどん自我が目覚めていった時、目に説得力が出てきて。

やっていくうちに『桧吏』から『祥太』になっていき、後半は素晴らしく、大人という感じになっていました。俺を見る目も冷たかった(笑)佐々木みゆちゃんも含め、ちびっ子2人が素晴らしかった。俺なんか動物に囲まれているサーカス団のピエロみたいな感じになりました」

城「リリーさんとお芝居していて面白くなってきました」

リリー「俺がお年玉に40万円渡したこととか言えよ」

城「もらっていないです(笑)いや、でも、僕が好きな辛いお菓子をいっぱい買ってくれたり…」

リリー「お菓子を買ってもらってうれしかったとか、エピソードが小さいな(笑)」

城「いろいろなお菓子をいっぱい、クリスマスはお菓子のツリーみたいにして皆で一緒に食べたりして、すごく優しくて良い人だなと思いました」

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