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ダイエット中の朝食、「ご飯」「パン」「シリアル」のどれがいい? それとも抜くべき? 管理栄養士に聞いてみた

ダイエット中、どうすればよいか悩みがちなのが「朝ご飯」です。ご飯とパン、シリアルのどれがいいのか、あるいは何も食べない方がいいのか…。管理栄養士の“答え”とは。

ダイエット中の朝食、どうしてる?
ダイエット中の朝食、どうしてる?

 朝食の主食の代表格といえば、「ご飯」「パン」「シリアル」の3種です。その日の気分によって選んでいる人が多いと思いますが、ダイエット中の人からは「どれを食べればいいの?」「パンは太りそうなイメージがあるけど…」「腹持ち重視なら白米がよさそう」といった声も聞かれます。中には、「ダイエット中なら、朝食は抜いた方がいいのでは?」と考える人もいるようです。

 ダイエット中に最適な「朝食の主食」はご飯、パン、シリアルのどれなのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

パンは脂質を含む献立構成になりがち

Q.「ダイエット中は朝食を食べない」人もいるようですが、実際は「朝食あり」と「朝食なし」のどちらがいいのでしょうか。

岸さん「私は、ダイエット中には朝食を食べることをお勧めしています。その理由は、(1)食事をすることで体温が速やかに上がり、代謝も上がる(2)胃腸が動き、腸のぜん動運動が促進され、便秘の予防になる(3)血糖値の上昇を分散させて、急激な上昇を防ぎたい(4)昼食のドカ食いを防ぐことができる―と考えるからです。

血糖値が急激に上がることで、インスリンが分泌されます。インスリンは血糖を脂肪として細胞内に取り込む働きがあるので、血糖値の急上昇を避けるためにも、食事回数は分散した方がよいと思います」

Q.ダイエット中に最適な朝食の主食は「ご飯」「パン」「シリアル」のどれでしょうか。

岸さん「『どの食材と組み合わせるか』『どの種類を選ぶか』が重要だと思うので、どれが最適だと言い切ることはできません。

しかし、あえて選ぶとしたらご飯です。理由としては、米は咀嚼(そしゃく)回数を稼ぎやすいので満腹中枢を刺激しやすいという点、また、パンと比較してご飯自体に脂質が少ないことに加え、ご飯には焼き魚やみそ汁、納豆、おひたしなど、脂質が比較的少ないメニューを組み合わせやすいという点です。

パンはそれ自体に脂質が含まれる上、おかずやトッピングになるのはハムやソーセージ、スクランブルエッグなど、和食メニューと比べて脂質を多く含む献立構成になるため、ご飯の方が、栄養バランスを取りやすいという意味で優れています。

特に玄米や雑穀米は、代謝に必要なビタミンやミネラルを含み、食物繊維も豊富です。ダイエット中は食物繊維が不足しやすく、便秘になってしまう人もいるので、白米よりも玄米や雑穀米の方がよいと思います。ただし、白米よりも消化に負担がかかるので、よくかんで食べるようにしてください。なお、各主食のメリット/デメリットは次の通りです」

【ご飯】

メリット:ご飯自体に脂質や添加物が少ない。低脂質のおかずも合うため、栄養バランスが取りやすい
デメリット:塩分が多くなりがちなため、人によってはむくみやすい

【パン】

メリット:炊く手間がなく、手軽に食べやすい
デメリット:卵料理や加工肉など脂質が増えやすいメニューと合わせがち。サラダを組み合わせた場合も、ドレッシングをかけることにより、脂質や余分なカロリーを取り過ぎてしまう。パンに蜂蜜やジャムなどを塗ると血糖値が上がりやすい

【シリアル】

メリット:牛乳をかけるだけで手軽に食べられる。また、食物繊維を摂取できるものもある
デメリット:牛乳とシリアルだけでは、ビタミンCなどの水溶性ビタミンが不足しやすい。また、シリアルやグラノーラはたっぷりの砂糖やドライフルーツなどが添加されており、血糖値が上がりやすい

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岸百合恵(きし・ゆりえ)

プロボクサー、管理栄養士、日本糖尿病療養指導士

病院食の管理・調理業務や企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診療を専門とするクリニックにおいて5年間、栄養指導を実施。アスリートとしても夢を追い掛け、2017年に日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに挑戦し、一発合格。「闘う管理栄養士」として、チャンピオンを目指して日々トレーニングに励みながら、ボディーメークや健康管理の指導を行う。現在は、スポーツ・睡眠歯科分野の診療を行う歯科医院で、アスリートへの食事指導や、一般患者へのダイエット、フレイル・サルコペニア予防の指導を行う他、内科クリニックで生活習慣病患者に対する食事指導を行っている。

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