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「においがきつくなるのはなぜ?」「年齢によっても変化?」…女性の「おりもの」4つの疑問、産婦人科医に聞いた

においや量が気になったり、「病気かも」と不安になったり…。悩む女性も多い「おりもの」の疑問について、産婦人科医に聞きました。

「おりもの」の悩みを抱える女性も…
「おりもの」の悩みを抱える女性も…

 女性のデリケートゾーンにまつわる悩みとして、よく聞かれるのが「おりもの」のこと。においや量が気になったり、体調による微妙な変化に戸惑ったりした経験がある女性は少なくありません。特に、「正常なおりものってどんな状態?」「においがきつくなることがあるけど、どうして?」「年齢によっても変化するの?」「病院を受診する目安は?」といった疑問を持つ人が多いようです。

 女性の「おりもの」に関するさまざまな疑問について、産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。

量は「体質的に多い」人も

Q.そもそも、おりものとは何でしょうか。

尾西さん「おりものとは、子宮の入り口(頸部=けいぶ)や膣(ちつ)の分泌物のことで、医学用語では『帯下(たいげ)』といいます。帯下の中には、乳酸菌などの常在菌がすんでおり、膣の中に雑菌や真菌(カビ)が繁殖しないようにする働きがあります。また、帯下は性交時にスムーズに挿入したり、摩擦による膣のダメージを和らげたりする働きがあります。

排卵期にはサラサラして透明になったり、排卵後は白く粘っこくなったりと、生理周期によって量や色が変わります。つまり、帯下は、排卵時は精子が子宮に入りやすくし、排卵後は他の精子や雑菌が子宮に入ってこないようにするなど、妊娠に適した働きをしているのです」

Q.正常なおりものとは、どのような状態ですか。

尾西さん「正常な状態は無色~やや白色で、スーッと伸びてボトッと落ちるような粘度です。においはほとんどありません。ただし、量に関しては個人差が大きく、もともと体質的に多い人もいるため、治療でよくならない場合もあります」

Q.「おりもののにおいがきつくなることがある」と悩む女性もいるようですが、これはなぜですか。

尾西さん「体が弱っていると免疫力も落ちてしまうため、常在菌(よい菌)による自浄作用がうまく働かず、雑菌や真菌(カビ)が繁殖してしまいます。それによって、においがきつくなったり、かゆみやヒリヒリ感が出たりするなどの症状が現れます」

Q.年齢によっても、おりものは変化するのでしょうか。

尾西さん「帯下は女性ホルモンによって分泌されるため、閉経すると急激に量が減ってしまいます。そうすると、膣内が乾燥して荒れてしまう『萎縮性膣炎』になることがあります。女性ホルモンの膣錠で改善するので、閉経後の性交痛などがある人は婦人科を受診してみてください」

Q.病院を受診すべき異常の目安を教えてください。

尾西さん「量に関しては個人差があるため、人と比べるのではなく、『今までと違う量が出る』『色がいつもと違って黄色や緑色っぽい』『においがきつい』『白っぽくて、もろもろとしている』などの変化で判断します。これらの症状が見られる場合は、病気の可能性があるので受診が必要です。

また、クラミジアや淋(りん)病、トリコモナスといった性病の場合もあるため、気になるときは早めに受診しましょう。特に、クラミジアや淋菌の場合は、自分の免疫力では治りきらず、おなかの中に炎症が及んで不妊の原因になってしまうことがあります」

Q.おりものによるデリケートゾーンのトラブルを防ぐポイントは。

尾西さん「温水洗浄便座を使う人も多いと思いますが、ビデを使い過ぎると膣の中のよい常在菌が洗い流されてしまい、カビや雑菌が繁殖する原因になります。基本的には夜、シャワーで外陰部を洗い流すだけで十分です。

同様に、せっけんによる洗浄も過度に行うと悪化することがあります。最近はデリケートゾーン専用の洗浄剤も出ているので、気になるときは使用してもよいでしょう」

(オトナンサー編集部)

尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(神谷町WGレディースクリニック院長)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性の全ての悩みに応えられるかかりつけ医として、都内の産婦人科クリニックに勤務。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

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