安藤サクラ&松岡茉優が考える“家族”とは パルムドール受賞作「万引き家族」で姉妹役
カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」を受賞した「万引き家族」(是枝裕和監督)で、姉妹役を演じる安藤サクラさんと松岡茉優さんに「家族とは何か」を聞きました。

是枝裕和監督が、家族や社会をテーマに10年間をかけて構想し、フランス・カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」を受賞した映画「万引き家族」(6月8日公開)。同作は、家主の初枝(樹木希林さん)の年金目当てに古い平屋に治(リリー・フランキーさん)、信代(安藤サクラさん)、息子の祥太(城桧吏さん)、信代の妹・亜紀(松岡茉優さん)が暮らしています。彼らは、社会の底辺にいるような一家でありながら、笑いの絶えない日々を送っていますが、ある事件をきっかけにバラバラになり……家族とは何かを問いかけるヒューマンドラマです。
オトナンサー編集部ではこのほど、安藤さんと松岡さんにインタビューを実施。台本を読んだ感想や役の捉え方、「家族とは何か」などを聞きました。
是枝監督の10年間と向き合う感じ
Q.久々に共演されていかがでしたか。
松岡さん(以下敬称略)「すごく幸せな思い出だし、私の中でかけがえのない時間です。作品の中ではカットされましたが、安藤さんににらまれるシーンがあり、怖くて夢に出てきます(笑)」
安藤さん(同)「にらむシーンってあったっけ?」
松岡「あります。はたかれるシーン直前です」
安藤「あのシーンの松岡さんはめっちゃきれいだった」
松岡「私はヘビににらまれたカエルでした。動けなくなりました(笑)」
安藤「全身からのエネルギーがすごく伝わってきた。毛穴から何か出ている感じがして、それが魅力的でした」
Q.好きなシーンはどのシーンでしょうか。
安藤「カットされたシーンですが、激しくけんかして、殴り合ったシーンがあるんです。その時、松岡さんの肌がすごく美しく、次にやることを忘れるくらい見入ってしまいました。あとは、撮影中の松岡さんの気持ち悪い感じの前髪、こういう人その辺りにもいるねと思って見ていました(笑)」
松岡「それは私ではなくメイクさんの範疇(はんちゅう)です(笑)」
安藤「前髪の気持ち悪さがぴったり」
松岡「褒められている気がしない(笑)私は見終わって、お母さんになりたいと思いました。お子さんが生まれた女優さんって、私の知らないものが見えていると思うので、そちらの世界もいいなと思いました」
Q.台本を読まれた感想をお願いします。
松岡「台本は、是枝監督が準備稿の段階から10年温めていたもので、さらに撮影中も差し込みがあり、一つの台本に向き合うというよりは、是枝監督の10年間と向き合う感じでした。現場現場で、子どもたちが生き生きと自由に存在してくれたので、子どもたちの出す空気を混ぜながらやっていました。
朝に差し込みがあることが多いのですが、カットごとに『こういうのを増やしてもらっていいですか』と追加があり、すごく新鮮な体験でした。いつか是枝監督の作品に出るのが目標の一つだったので、機会をもらえてうれしかったです。今思えば、この皆さんと一緒に出してもらったこと、ひと時でも家族になれたことが幸せでした」
Q.松岡さんは「亜紀」というキャラをどう捉えましたか。
松岡「自分の中にあるもの、例えば、冷蔵庫の中にあるものを使ってご飯を作ったといいますか。自分の中の、普段出さなかったものから抽出して演じました」
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