妊娠・出産の経済学【誰でももらえるお金】
医療費控除
「医療費控除」は、1年間に支払った医療費が、家族で10万円(所得が200万円未満の人は所得の5%)を超えた場合、確定申告をすれば支払った税金の一部が戻ってくる制度です。
支払われる額は還付金計算式によって計算されます。
1年間に支払った医療費から、高額療養費や出産育児一時金のほか、生命保険などから支払われた金額を差し引いたもので、10万円を超える分(所得が200万円未満の方は所得の5%)が医療費控除額(最大200万円まで)となります。実際に戻ってくるのは、医療費控除額に申告者の税率(所得によって変動)を掛け算した額です。

【医療費控除額の計算方法】
1年間で支払った医療費の合計額-保険金などで補填された金額-10万円(所得が200万円の方は所得の5%)=医療費控除額
戻ってくるお金=医療費控除額×申告者の税率(※)
※所得税と住民税の税率が30%の場合は約9000円が戻ってきます
申告は税務署に行います。還付の申告は1年中受け付けていますが、原則は2月16日~3月15日です。必要となるのは、医療にかかった費用の領収書。医療費と認められるものは決まっているため、以下を参考に領収書を保管してください。夫婦ともに所得税を払っていれば申告するのはどちらでも構いません。ただし、所得税率により還付金額は変動しますので、所得の多い方が申請するとよいでしょう。
医療費と認められるものの一部
・妊婦定期検診費
・分娩費や入院費
・診察や治療費、治療過程で処方された薬代
・入院中に医師が必要と判断した備品代
・出産(陣痛)時の交通費(タクシー代)
・通院にかかった公共機関の交通費(夫婦)
・赤ちゃんの通院の交通費、検診費や入院費
意外と知られていませんが、薬局やドラッグストアなどで購入した風邪薬も控除対象になります。ただし、「病気の予防や健康を維持するための費用は認められない」というルールがあるため、栄養ドリンクや目薬、湿布など、「治療」と「予防」の線引きが明確でないものは対象になりません。
2016年1月現在、「薬局で1万円以上使ったお金は控除対象にする」という検討がなされています。
医療費と認められないもの(自己負担)の一部
・妊婦用の下着類、入院時のパジャマや雑費
・所有する自動車で通院した際のガソリン代など
・医師への謝礼
・里帰り出産にかかる交通費など
もらえるお金(目安)
実際にかかった費用と所得による
※民間の生命保険: 「流産」や「帝王切開」でお金がかかった場合は、生命保険の対象となります。また多くはありませんが、「吸引分娩」や「前期破水」なども支払い対象としている会社もあります。加入している保険会社に問い合わせてみましょう。
(オトナンサー編集部)

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