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最新テクノロジーで武装したデジタル・ディスラプターの“創造的破壊”に備えよ

ディスラプターの破壊力の源泉は?

 2017年末刊行のビジネス書「対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方」(マイケル・ウェイドほか著、日本経済新聞出版社)は、ディスラプターの破壊力を具体的に解説し、ディスラプター企業が生み出している3つの新しい価値を分析しています。

 まず「コストバリュー」。これは製品やサービスのコストを削減する力です。ディスラプターは、低価格化や無料化のほかにも、使った分だけの従量制料金、割安の定額料金、ネットオークションなど、顧客にとって魅力的なさまざまな利用方法を提案します。また、料金比較サイトも価格の透明化という意味合いで、このカテゴリーに含まれます。

 次に「エクスペリエンスバリュー」。ひと口で言えば、顧客の利便性を向上させたり、面倒を取り除いたりする力です。「出かけなくていい」「並ばなくていい」「待たなくていい」「手数料が安い」など、顧客にとって魅力的な言葉が並びます。デジタル決済や仮想通貨、ネット経由の投資、月額制動画配信サービス、AIを利用したロボットアドバイザー、クラウドファンディングなど、数多くのサービスが該当します。

 3つ目が「プラットフォームバリュー」。いわば、大量に集める力というべきものでしょうか。顧客はネットを介して情報を発信したり、共有したり、多くの見知らぬ人と取引したりすることができ、自分のニーズや好みに合う情報や商品・サービスを見つけやすくなります。AndroidやiOSのようなシステムプラットフォームから、ソーシャルメディアに関連する全サービス、個人と集団を結びつけるエアビーアンドビーのようなデジタルマーケットプレイス、クラウドソーシングなど、すべてのディスラプイターがこの力を備えています。

 ディスラプターの持つ「コスト」「エクスペリエンス」「プラットフォーム」の破壊力は、こうした3つの力が源泉になっています。

ディスラプターはこうやって成長する

 見落としていけないのは、ディスラプターが3つの力をバラバラに使ってくるわけではないということです。アマゾン、アップル、グーグル、フェイスブックといった超大手はもちろん、生まれたばかりの新興企業でも、成長著しいディスラプターは3つのバリューを融合したビジネスモデルで、既存市場に攻撃をしかけ、新たな市場や利益を生み出しています。

 彼らは、かつてない利便性の高いサービスを無料またはごく低価格で提供し、利用者を大量に集めてネットワークを作り上げます。そして、ひとたびプラットフォームを作ってしまえば、広告配信や利用者情報のビジネス、チャネルの他企業への開放など収益に結びつける方法はいくらでも見つかります。「ネットワークの価値はそのユーザー数の2乗に比例する」とされるので、一度ネットワーク化が完成すれば、それを覆すことは極めて難しくなります。

 そして、さらに資金をつぎ込んで、コストバリューやエクスペリエンスバリューをより強化したサービスを生み出し、プラットフォームバリューの価値をより大きく拡大、さらに資金をつぎ込んで……。

 こうなると、プラットフォームを持たない従来の企業には、もはや対抗する手段はありません。ディスラプターに市場を破壊された既存企業は、デジタル化して対抗するのか、ディスラプターと手を組むのか、市場から撤退するのか、厳しい選択を迫られることになるのです。

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