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“尿路結石”の体験描く漫画が話題に 作者「激痛で膝から崩れ落ちる」、原因や対処法は?

尿路結石の体験を描いた漫画が話題です。作者が「膝から崩れ落ちるくらいの激痛だった」と話す尿路結石の原因や治療法について、医師に聞きました。

尿路結石の体験を描いた漫画の1コマ=rikko(@rikko157)さん提供
尿路結石の体験を描いた漫画の1コマ=rikko(@rikko157)さん提供

「尿路結石」に関して先日、SNS上で話題になりました。きっかけは、尿路結石になった体験を描いた漫画。作者のrikkoさんに発症当時について聞くと「痛みが出る前、左半身に鈍痛があった」といいます。

「もともと頭痛持ちなので、『いつものだろう』と思っていたら、急に激しい腹痛が来た感じでした。ずっと鈍痛が続く感じで、定期的に激痛が走りました。激痛の時は膝から崩れ落ちる感じでした」(rikkoさん)

「本当にしんどかった」という体験から、「少しでも多くの方に、この病気について呼びかけられたらうれしい」との思いで漫画を描いたそうです。読者からは、「尿路結石の痛みは強烈ですよね」「結石が大きくなりすぎて手術したことある」「再発するのかな」など、さまざまな声が寄せられています。今回は、尿路結石の原因や症状、適切な対処法について医師の市原由美江さんに聞きました。

動物性タンパク質の取り過ぎに注意

Q.尿路結石とはどのような病気でしょうか。

市原さん「腎臓で作られた尿は、尿管、膀胱、尿道を通って体外へ排出されます。この尿の通り道を尿路と呼び、ここにできた結石を総称して尿路結石といいます。つまり、腎臓に結石ができると腎結石、尿管に結石ができると尿管結石と呼びます。結石が小さければ、無症状であったり、腰や腹部に鈍痛を感じるだけだったりと症状ははっきりしません。典型的な症状は、差し込むような痛みが急に出現し、血尿を伴います。

代表的な尿路結石はシュウ酸カルシウム結石です。尿中のシュウ酸とカルシウムの濃度が高くなると結石になりやすくなります。脱水や長期の寝たきり状態、動物性タンパク質の過剰摂取など、結石ができる原因はさまざまです」

Q.尿路結石が激痛を伴う理由は何ですか。

市原さん「結石が腎臓にあるうちは痛みがありませんが、尿管に移動すると結石が尿管に詰まり、尿管が拡張したり痙攣(けいれん)したりすることで激痛を生じます」

Q.尿路結石になりやすいのはどんな人でしょうか。女性よりも男性に多いイメージがありますが。

市原さん「男性患者は女性の2倍以上で、男性に多いのは事実です。その理由としては、男性は女性に比べて尿路が長いことや、男性の方が動物性タンパク質を過剰摂取しがちであることが関係していると思われます。動物性タンパク質を過剰摂取すると、尿中のシュウ酸の濃度が上昇するため、カルシウムと結合して結石になりやすいと考えられているからです。糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病とも関連があると言われています。また、脱水が結石を生じやすくするため、夏場に多い傾向があります」

Q.尿路結石の治療法や対処法をご教示ください。

市原さん「結石が小さい場合、痛み止めや溶解薬などの薬で自然排石を促します。結石が大きく、自然排石が難しい場合は、手術によって結石を取り除く方法が選択されます。結石の種類や原因にもよりますが、一般的に再発率が高いので定期的な再検査が必要です。

尿路結石があると診断されていて痛みの発作が起こった場合、まず処方された痛み止めを内服しましょう。結石の直径が1センチ以下だと、自然と尿中に排せつされることが期待できるため、なるべく水分を多く摂取して結石の排出を促しましょう」

Q.尿路結石の発症や再発の予防法はありますか。

市原さん「前述のように、ほとんどの結石は尿中のシュウ酸の濃度が高くなることで発生します。水分摂取を心掛けて脱水予防に努め、シュウ酸の多い食事(動物性タンパク質など)を控えることが予防につながります」

(ライフスタイルチーム)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック勤務。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。