「凍結卵子で妊娠・出産」のニュースが話題に 健康女性が実施、その背景に“晩婚化”
今年2月、大阪の看護師の女性が、凍結保存した自分の卵子を使って妊娠・出産に成功した、というニュースが大きく報じられました。このニュースが話題になった背景には、卵子を凍結保存したのが健康な女性であったこと、そして、“晩婚化”や“晩産化”がありました。

今年2月、大阪の看護師の女性(当時44歳)が、凍結保存した自分の卵子を使って妊娠・出産に成功した、というニュースが大きく報じられました。報道によると、女性は41歳で自分の卵子を凍結し、その後、数回の体外受精を経て妊娠に成功、昨年夏に2534グラムの女の子を出産したといいます。
オトナンサー編集部では、このニュースが世間の大きな注目を集めた理由、そして、その背景にある女性の妊娠や不妊を巡る事情について、医師の内田玄祥さんに話を聞きました。
Q.卵子凍結というのはそもそも一般的なのでしょうか?
内田さん「卵子凍結は近年、一般的に行われるようになりました。費用も一般の体外受精に準じたもので1回25万~30万円程度。そのほか、保管費用が年3万~6万円必要になります。凍結・融解の成功率は、技術がしっかりした病院であれば80~90%くらいです」
Q.卵子凍結を行う理由は何ですか?
内田さん「将来の妊孕(にんよう)性(=妊娠のしやすさ)を温存するためです。例えば、悪性腫瘍の女性が、抗がん剤などの副作用で卵子が死滅しても、卵子を凍結しておけば、悪性腫瘍の治療後にそれを使って妊娠・出産できます。また、白血病の化学療法などを行った場合、妊孕性温存の対策をしておかなければ、男女問わずかなりの確率で妊娠・出産が望めなくなります」

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