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「喪中はがき」はいつ、誰に出す? マナーコンサルタントに聞く

喪中はがきは、いつごろ、どの程度の範囲の人まで出すべきなのでしょうか。マナーコンサルタントに聞きました。

喪中はがきはいつまでに出す?
喪中はがきはいつまでに出す?

 来年用の年賀状の準備を始める人もいる時期ですが、今年身内に不幸があり、「喪中はがきを用意しなくては」という人もいるでしょう。喪中はがきは、いつごろ、どの程度の範囲の人まで出すべきなのでしょうか。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」(東京都港区)代表理事でマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに聞きました。

11月~12月初旬、届くように

Q.まず、喪中はがきの意味を教えてください。どのくらいの親族までが亡くなった場合に、喪中欠礼とすべきなのでしょうか。

西出さん「『喪中はがき』は、喪中のため、年末年始のごあいさつを控えます、という意味があります。正式には『年賀欠礼状』と言います。これは、身内や近親者が亡くなり、1年以内に迎える新年の『年賀状』の代わりとなるものです。

喪中はがきとする近親者の範囲は、具体的には、配偶者、父母、子ども、兄弟姉妹、祖父母、孫、また配偶者の両親が一般的です。

それ以外に、同居していた人、親しい友人、生前懇意にしていた人やペットなどとのお別れがあった場合も、喪に服したいという気持ちがあれば、喪に服して問題ありません。この場合、喪中はがきを出すことは通常ありませんが、その関係性や家族同様のペットの場合は、お出しする相手を選定した上で、喪中はがきを出してもよい時代だと思います。喪中はがきは、喪中であることを知らない人にそれを知らせる意味もありますので」

Q.いつごろから、いつごろまでに出すべきなのでしょうか。出す相手も含めて教えてください。

西出さん「11月から12月初旬には相手に届くように出します。喪中はがきを送る相手は、毎年年賀状のやり取りをしている相手に送ります。また、葬儀に参列くださった皆さんへ送ってもよいです」

Q.喪中はがきは印刷の場合が多いようですが、文面は印刷のみでもよいのでしょうか。

西出さん「よいです。印刷のみでない方がいい、ひと言書いた方がいい、などの決まりはありません。一般的には何も書かない傾向にありますが、一方で、自筆でひと言、書いてはいけないという決まりもありません。お出しする相手との関係性において、ひと言書きたいことがあれば、書いてもよいでしょう。

この時、印刷の文字色がグレーの場合には、それに合わせて薄墨で書く配慮があると、喪に服している期間として、故人をしのんでいる気持ちが一層伝わります。とはいえ、喪中はがきを薄墨にしなければならないという決まりはありません」

Q.喪中はがきに書くべきことを教えてください。また、やってはいけないこともあれば、お願いします。

西出さん「喪中はがきには、(1)喪中であること(2)新年のごあいさつを失礼すること(3) 誰が(4)いつ亡くなったか(5)故人が生前お世話になったことへの感謝の言葉(6)相手のご健康を祈念する言葉―を記します。

これらの要素が標準的ではありますが、故人の名前や、差出人との続柄を書かなくてもよいです。また、いつ亡くなったのかも具体的な日にちを書く必要はありません。亡くなった時の年齢は宗派や地域でさまざまです。一般的には、満年齢とし、享年で書く場合は数え年で書くことが多いです。

最後に、喪中はがきを出す日付を書きます。日にちまで厳密に書く必要はありません。年号と月だけで十分です。基本的に喪中はがきは縦書きとされているため、和暦を漢数字で書きます。

なお、通常の手紙と喪中ハガキを書く際に異なる点は次の3点です。

(1)喪中はがきでは、句読点を付けないのが一般的
(2)喪中はがきでは、行頭は一文字空けない
(3)喪中はがきでは『拝啓』などの頭語や『敬具』などの結語は書かない」

Q.年賀状を出した後に不幸があった場合は、どのようにすべきなのでしょうか。

西出さん「この場合は、特にこうすべきという決まりはありません。それぞれの考え方でよいでしょう。どうしても年賀状が届かないようにしたいと思えば、すでに投函(とうかん)した年賀状は、配達前であれば、取り戻し請求を行い配達を取りやめることができます。ただし、それにかかった料金の返金はできません。この請求を行う際には、ご本人確認資料や郵便局規定の料金が必要となりますので、事前に確認して行うことをお勧めします。

一方、喪中となり心身ともにお疲れにもなっているとも思います。年末の慌ただしい中に、無理に配達を取りやめることや、喪中を知らせることもないと思えば、それはそれでよろしいかと考えます。

投函した年賀状はそのままにしておき、年賀状を出したことにより、相手から年賀状が届くかもしれませんが、喪中であっても年賀状をいただくことに問題はありません。喪中はがきはあくまでも、喪中のため、年始のごあいさつを控えるという意味合いだからです。

年賀状を出していない人から年賀状をいただいたときには、寒中見舞いや余寒見舞いとしてはがきをお出しする際に、『喪中のため、年頭のごあいさつを控えさせていただきました』と、ひと言お伝えするとよいでしょう」

(オトナンサー編集部)

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと2000年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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