阿部純子「孤狼の血」は「アドレナリンが出っ放し」 役所広司&松坂桃李との共演語る
映画「孤狼の血」で松坂桃李さん演じる新人刑事・日岡を介抱する、岡田桃子役を演じた阿部純子さんにインタビュー。役作りや桃子の印象などを聞きました。
白石和彌監督の最新映画「孤狼の血」で松坂桃李さん演じる新人刑事・日岡を介抱する、岡田桃子役を演じた阿部純子さん。同作は、広島県で起きた金融会社社員失踪事件から始まるヤクザの抗争を止めようと、ベテラン刑事・大上(役所広司さん)と日岡が奮闘し…というヤクザ映画です。
オトナンサー編集部では、阿部さんにインタビューを実施し、役作りや試写を見た感想、桃子の印象などを聞きました。
オーディションでは、缶ビールも口に
Q.脚本を読んだファーストインプレッションをお願いします。
阿部純子さん(以下敬称略)「仁義の話で、男らしさを強く感じ、女の私には新鮮に感じられました。脚本を読み始めると面白くて止まらなくなりました。脚本でこれだけ面白いから映画になるとどうなるんだろうと感じました。私の演じる桃子が出てきた瞬間にラブストーリーになっているので、演じる上でどうしようかなと思いました。監督からは考えすぎないように言われていたので、日岡との雰囲気を大事にしようと考えました」
Q.オーディションだったと伺っていますが、どのようなオーディションでしたか。
阿部「元々、白石監督の『ロストパラダイス・イン・トーキョー』が好きで、その時から白石監督と仕事をしたいと思っていました。別の現場でお会いした時にあいさつしたことを覚えてくださっていて、オーディションに呼んでもらいました。桃子のセリフを頂いて芝居するオーディションでしたが、その時は呉弁の台本ではなく、自分で桃子を考えて、缶ビールを飲みながら演じたりしました。薬剤師役ではあるけど、それだけではないことを見せなければいけないし、女らしさも意識しながら演じました」
Q.二面性のある役ですが、演じ分けや意識したことはありますか。
阿部「他の役者さんにお会いする機会があまりなく、私が出ていないシーンの雰囲気がわからなかったので、なるべく脚本に忠実にやろうと思っていました。監督は『考えすぎずに自由に演じてほしい』と言ってくださって、役が委ねられているなという印象がありました。意識した部分ですが、日岡や大上とのつながりなど人間関係を頭に入れて演技をしていました。『こう見せたい』と考えすぎるのではなく、彼女の二面性を含め桃子という人間を楽しく演じられたと思います」
Q.役所さんの演技をご覧になって迫力はいかがでしたか。
阿部「リハーサルを何度かしていたのですが、役所さんがリハーサルごとに演じ方を変えて、アドリブなどをどんどん付け加えていくのが印象的でした。役所さんが、けがをした松坂さんを連れてきて、私が手当てするシーンなのですが、そこに至るまでの演技が面白かったので、シーンがつながってでき上がったものを見て、こういうことをしていたのかと理解しました。役だけでなく、どうすれば全体が面白くなるかを考えながら演じていらっしゃることに圧倒されました」
Q.完成したものを見てどのように感じましたか。男性はテンションが上がる人が多かったようです。
阿部「私も胸が熱くなりましたし、アドレナリンが出っ放しでした。ヤクザ映画だけど、男の友情など、テーマになる部分は女性でも共感できるところが多いです。もちろん暴力的な部分はあるんですが、そこだけにフォーカスしてほしくない作品ですね。役者さんたちが生き生きしていて、一観客としてもとても楽しめました」
Q.試写を見た人では、特に桃子が良かったという人が多かったようです。ご自身が感じる桃子の魅力を教えてください。
阿部「脚本が面白く、桃子も演じたいと思う役柄でした。私というより脚本が面白かったですし、役を任せてくださった白石監督のおかげです。この役を任せていただいたプレッシャーだけでなく、それがうれしくて全力で演じることができました。白石監督の、私の演技を尊重してくれる姿勢がうれしく、それに応えられたらと思っていました」
Q.男性が心をつかまれた要因の一つとして、呉弁のかわいさが挙げられます。どのように習得されたのですか。
阿部「呉弁のCDをお借りして、それを聞いて覚えました。現場でも呉弁の方に教えてもらったりしていましたが、出身が大阪なのでイントネーションの違いには苦労しました」
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