あなたはどっち? 「片付けられない人」と「片付けられる人」は何が違う? 収納のプロに聞いてみた
「片付けられない人」は「片付けられる人」になれる?
Q.片付けられないと自覚のある人が、家の片付けに着手しようとするとき、「これはやってはいけない」と意識した方がよいNG行為はありますか。
【物を捨て過ぎない】
整理と聞くと、「とにかく物を捨てなきゃ」と考える人がいます。ダイエットと同じで、考えもなく、物を極端に減らし過ぎると“リバウンド”を起こしたり、使いたい物までなくなったりします。使っている物は残しながら、自分に必要な物の適正量を決める、「程よく持つ暮らし」がお勧めです。
【片付けのハードルを上げない】
片付けが苦手な人はきっちりとした細かい収納は目指さず、「置き場所を決めたらポンポン入れるだけ」などのざっくりした収納でもよしとしましょう。SNSなどで見るすてきな部屋は、必ずしも自分の暮らしや性格に合っているとは限りません。ハードルは上げず、自分の負担にならない範囲での継続が、結果的に成功へとつながります。
【リビングからの着手は避ける】
リビングは家の中でも特にさまざまなアイテムが集まるので、片付けの難易度が高めです。苦手な人がいきなりここから着手すると、頭も部屋も混乱します。まずは財布やバッグからスタートし、洗面所の整理収納や靴箱の中、トイレなど狭いスペース、アイテム数が少ない場所から進めて、成功体験を増やしていくとよいでしょう。
Q.片付けられない人が「片付けられる人」になることは可能でしょうか。
岩佐さん「十分に可能です。『片付けられるようになりたい!』という気持ちがある人は、今の暮らしを変えたいと思っている人だからです。それには、日々の暮らしの中での“気付き”が必要です。
そのレベル1は『ボールペンを最後まで使う』です。ペン類は使い切る前に新しい物を開けがちですが、最後まで使い切ると達成感を得られます。この癖がつくと、ペン以外でも使い終わってから新しい物を開けるようになり、使いかけの物がずっと残ることもなくなっていきます。
レベル2は『買い物時、“本当に使うのか? 出番は多そうか?”と問い掛ける』こと。物を招く癖がある人はこれを自分に問うことで、物が入ってくるスピードが遅くなります。
レベル3は『置き場所とタイミング』。先述の通り、物を元に戻すために定位置を決めましょう。そして、スーパーや旅行から帰ったら、腰を落ち着ける前に袋から物を出し、サッと片付けてしまうのがお勧めです。『片付けタイミング』の早さを意識するだけで、部屋の散らかり具合は変わります。
最後のレベル4は寝る前に『部屋を振り返る』こと。自分の部屋を客観的に見ることで、ソファに衣類、ダイニングテーブルには郵便物などが置きっ放し…と気付くでしょう。7割ほど片付いていれば、次の日が楽です。
1つのレベルが日常化したら、次のレベルに進みます。その過程でさまざまな気付きを得られ、意識が変わります。人はすぐに物事を変えたがるものですが、いわば、何年も何十年も片付けが苦手で暮らしてきたのです。『すぐに変えなきゃ』と焦らず、日常の中で意識を変えていくとよいでしょう」
(オトナンサー編集部)
コメント