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インスタ映え狙いで“桜の枝”を折る人に「ひどい」「犯罪では?」と批判噴出、法的には?

公園や川沿いの桜を折って花冠を作り、SNSなどに投稿する人たちに対して、批判の声が上がっています。こうした行為に法的問題はないのでしょうか。

桜は折るものではなく愛でるもの
桜は折るものではなく愛でるもの

 花見シーズンで桜の写真を撮る人が増加する中、公園などの桜の木の枝を折って花冠を作り、それを身に着けた写真をインスタグラムなどに投稿する人が増えているようです。ネット上では「ひどい」「インスタ映えのために木を折るな」「これ犯罪じゃないの?」などと批判の声が上がる一方、「枝はやりすぎだけど、花を摘むくらいならいいのでは」「土手のシロツメクサで花冠を作るのは?」といった疑問も寄せられています。こうした行為に法的問題はないのでしょうか。

伐採は器物損害罪、持ち帰りは窃盗罪

 芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士は次のように話します。

「樹木・草花を土地所有者(公共の場であれば国/市町村)に無断で傷つけたり伐採したりする行為は、器物損壊罪に該当します。この場合、所有者に告訴されると、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります」

「さらに、桜の木の枝を折って無断で持ち帰る行為は、窃盗罪です。森林の場合には、森林窃盗罪(森林法197条)に該当します。森林窃盗罪は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金に処される可能性があります。民事上は、発生した損害を賠償する法的責任も発生するでしょう」

 それでは、地面に落ちている花や枝、落ち葉を持ち帰った場合はどうでしょうか。

「たとえ落ちていた花や、枯れ木、落ち葉などであっても、所有者に無断で持ち帰れば、原則として窃盗罪に問われる可能性があります。森林の場合は森林窃盗罪に該当します。ただし、経済的に無価値と思われる、落ちている花や枯れ木、落ち葉などを持ち去ることで、所有者から刑事告訴などの法的措置を取られる可能性は非常に低いでしょう」

 違法と知らずに、悪気なくやってしまっている人も多そうですが…。

「皆で楽しむ花を摘んだり、枝を折ったりする行為は、違法かどうかの問題以前に、そもそもマナー違反です。そうした心ない人たちには、他人の物を傷つけてはいけないという意識を持たせることが必要でしょう」

(ライフスタイルチーム)

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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