「ロマンチックだったけど離婚」「されてないけど幸せ」…女性5人の体験談から考える“プロポーズの必要性”
カップルの数だけ存在する「プロポーズ」のエピソード。プロポーズがないまま結婚した人もいるようですが、プロポーズの有無は結婚生活に何らかの影響を与え得るのでしょうか。
指輪を片手に、ひざまずいてプロポーズ――。かつて、映画やドラマの中で見たような定番のプロポーズを行っているカップルは今、どのくらいいるのでしょうか。
「プロポーズをされた覚えがない」「自然に結婚していた」という女性の声も多く聞かれるようになりました。既婚の皆さんは、プロポーズの日の事細かな場面を思い出せますか。
プロポーズの演出によって、結婚生活はラブラブになるものなのでしょうか。それとも…。
プロポーズの有無で「結婚生活の満足度」に差?
プリモ・ジャパン(東京都中央区)が展開するブライダルリング専門ブランド「アイプリモ」が2019年、直近1年以内にプロポーズ、または結婚した男女516人を対象に調査を行ったところ、「プロポーズした(された)」と回答したのは89.5%と、約9割の人がプロポーズした(された)という結果でした。
そして女性に「今の結婚生活に満足しているか」と質問したところ、「満足している」と回答したのは、プロポーズされた人が52.9%、されていない人が36.6%と、プロポーズの有無によって差がみられる結果に。さらに、プロポーズありの女性は「やや不満である」が2.9%、「不満である」が0.8%だったのに対し、プロポーズなしの女性は「やや不満である」が4.9%、「不満である」が7.3%でした。この数字だけを見ると、プロポーズをされた女性たちの方が幸せを感じながら結婚生活を送っているようです。
「結婚生活にプロポーズが影響している」のは本当なのか
女性たちは一体どんなプロポーズをされたのか、その後の結婚生活はどうなのか…リアルな声を拾いました。
「付き合って半年後のクリスマスイブでした。予約が必要なレストランで指輪を渡され、『ずっと一緒にいてくれる?』とプロポーズされました。ロマンチックで最高!って思ったんですけど、そのときがピークで。幕引きはあっけなかったです。2人の子どもを授かりましたが、金銭的な価値観の不一致と夫の浮気が原因で、11年目に離婚しました」(典子さん/仮名・45歳)
「付き合って5年たった頃に夫のお兄さんが結婚して、その結婚式に呼ばれてご両親やお兄さん夫婦とあいさつを交わして、そのまま自然に結婚という流れになりました。夫は恥ずかしがりなので、『好き』とか言われたことはないし、プロポーズもされていませんが、子ども3人に恵まれて幸せに暮らしています。指輪は結婚式の直前に2人で買いに行ったような…もう記憶が定かでないですね。普通に幸せです」(佳澄さん/仮名・49歳)
「おめでた婚で、バタバタとお互いの両親にあいさつをして結婚式を挙げて…という感じでした。プロポーズなんてないですし、甘い新婚生活というのもなかったです。でも子どもはすごくかわいいし、結婚に後悔はしていません。ただ、子どもが成人したら結婚生活を続けるかどうか分からないです。夫より気になる人が…。子どもができたことが一番幸せ」(絵美さん/仮名・38歳)
「私の誕生日に2人で過ごそうとスイートルームを予約してくれて、部屋に入ったら、たくさんの友人が待ち構えていて、その中でひざまずいた彼から花束と指輪を差し出され、プロポーズされました。ものすごーく驚いて、恥ずかしかったです。うれしかったのですが、断れない状況でされたことに違和感を覚えました。
そのときの直観を大事にしておけばよかったです。結婚してから夫は小言が多くて、ずっと不機嫌です。まだ子どもが小学生なので我慢していますが、高校生になる頃をめどに離婚したいかなと漠然と思っています」(麻理恵さん/仮名・42歳)
「彼の家で、2人でご飯を作ってくつろいでいたときに突然、『手、見せて』と言われて出したらおもちゃの指輪をはめられて、『正式なものは一緒に買いに行こう』って言われました。何でもない普通の日だったし、すごく驚いてうれしくて泣いちゃいました。真面目で恥ずかしがりの彼だったから、そんなことをしてくれるとは思ってもみなくて。今でも、そのおもちゃの指輪は婚約指輪と一緒に大切にしまっています」(友利さん/仮名・35歳)
カップルの数だけ、プロポーズとその後の結婚生活があります。統計的にはプロポーズをされた方が、その後の結婚生活が幸せではあるようですが、私は関係ないと考えています。幸せを継続させることができるかどうかは、2人の心掛け次第なのではないでしょうか。
プロポーズも結婚もしなくても、お互いに尊敬し合っている仲良しカップルは数多くいます。彼女から「結婚しよう」と言われてうれしかった、という男性の話も聞きました。ビジネス書で見つけた「正解がない時代」という言葉、まさに恋愛も結婚も、そしてプロポーズも、2人のスタイルに合ったものでいいのです。
ただ一点。ロマンチックを夢見る体質の女性はもちろんいます。SNSを見れば一目瞭然。「いろんな色のお花に囲まれてハッピー」「ナイトプールで大きなソフトクリームを食べてハッピー」といったように相手がロマンチストタイプの場合、察して演出してあげるのが、その後のラブ度キープのコツです。正解に近いものを見つける洞察力が大切です。
恋愛を真面目に進めないと、結婚に失敗します。プロポーズの有無は関係ありません。
(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)
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