オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「マイファミリー」でも存在感抜群! 多部未華子のリアリティーあふれる演技

多部未華子さんが、TBS系の連続ドラマ「マイファミリー」に出演中。誘拐された娘の母・未知留を演じる多部さんの魅力に迫ります。

多部未華子さん(2017年6月、時事通信フォト)
多部未華子さん(2017年6月、時事通信フォト)

 TBS系の「日曜劇場」枠(毎週日曜 後9:00)で放送されている二宮和也さん主演のファミリードラマ「マイファミリー」。

 本作は、誘拐事件がテーマ。二宮さん演じる鳴沢温人と、俳優の多部未華子さん演じる妻の未知留という関係が冷え切った仮面夫婦が、娘の誘拐をきっかけに、お互いを思いやり協力し合うようになっていきます。

 今回は、未知留の言動をクローズアップ。娘が誘拐された不安と悲しみのためなのか、少々首を傾げたくなるような不可解なポイントを紐解きながら、改めて“女優・多部未華子”の魅力に迫ります。

進化を続ける多部未華子の表現力

 マイファミリーは、連鎖する誘拐事件を描いています。一人娘の誘拐事件によって浮き彫りとなる夫婦の在り方にも焦点が当てられています。温人と未知留のささいな所作や何気ない発言から想起されるのは、“仮面夫婦”の4文字。リアリティーを伴って浮かび上がってくるのは、一重に役者陣の表現力が示されているからでしょう。

 未知留を演じる多部さんの表情は、それを大いに裏付けています。二宮さんの存在感はもちろんのこと、少々暴走してしまう未知留がいるからこそ「こんな夫婦いそう」と現実味を感じる視聴者も多いはずです。

 温人を疑う表情、一心に娘を思いやる母としての態度、娘の命のためなら周りを顧みない行動力。身近にこんな妻や母がいてもおかしくないと思えるのは、親近感と生々しい演技力を共存させた多部さんの技量と感性によるものです。

 直近では、2020年放送のドラマ「私の家政夫ナギサさん」(同系)で演じた、家事や恋愛が苦手なキャリアウーマンのように、身近にいそうな役柄のイメージが強い多部さん。公開中の映画「流浪の月」では、俳優の松坂桃李さん演じる佐伯文の恋人役も熱演。相手のことを思うがあまり、気持ちがすれ違ってしまうやるせない役どころは、マイファミリーの未知留にリンクする部分が多かったように感じます。

 苦しみ、悲しみ、やるせなさの表現において、多部さんの演技は“進化”を続けてきました。

1 2

コメント