化粧水のつけ方、肌にいいのは「コットン」と「ハンドプレス」のどっち? 皮膚科医に聞いた
化粧水をつける方法には、「コットンを使う」「ハンドプレスする」の2種類がありますが、肌にとってはどちらがよいのでしょうか。皮膚科医に「推奨する方法」を聞きました。

5月10日は、その語呂合わせから「コットンの日」とされています。ところで、日々のスキンケアに欠かせない化粧水を肌につけるときの方法として、大きく「コットンを使う」と「ハンドプレス」の2種類があります。
化粧水を染み込ませて肌につける「コットン」派からは、「衛生面で安心できる」「顔にまんべんなくつけられる」、手で直接化粧水をつける「ハンドプレス」派からは、「手の温度で化粧水が浸透しやすいイメージ」「コットンより刺激が少なそう」など、それぞれにメリットを感じる声があるようです。
化粧水をつける際の「コットン」と「ハンドプレス」、実際のところはどちらが肌にとって“正解”なのでしょうか。アヴェニュー表参道クリニックの佐藤卓士院長(皮膚科・形成外科)に聞きました。
ポイントは「つけムラ」と「肌への摩擦」
Q.まず、スキンケアにおける化粧水の効果について教えてください。
佐藤さん「化粧水は、洗顔で失われた肌の水分を補い、水分を肌表面の角質層に浸透させることで皮膚を柔らかくし、潤いのある滑らかな肌に整える働きがあります。また、その後のスキンケアの浸透や化粧ノリをよくする効果もあります」
Q.化粧水をつける際、コットンを使うことのメリット/デメリットは何でしょうか。
佐藤さん「コットンを使うメリットとしては、(1)手が直接当たらないので衛生的(2)手ではつけにくい小鼻や目元、口周りなどにもしっかりとムラなく化粧水をつけることができる(3)コットンの細かい繊維によって、古い角質を取り除いてくれる(4)手のひらで肌が温まることがなく、毛穴を引き締めてくれる(5)パックとして使うこともできる―などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、コットンで肌を強くたたいたり、きつくこすったりすると、コットンの繊維の刺激によってニキビや肌荒れを悪化させる可能性があること、そして直接肌を触らないので、今の肌の状態が確認できないことが挙げられます」
Q.一方、化粧水をハンドプレスでつけることのメリット/デメリットとは。
佐藤さん「ハンドプレスのメリットとしては、(1)手のひらの体温で化粧水が温まるため、肌に浸透しやすくなる(2)優しく押し付けるようにしながらつけるため、摩擦が少なく済む(3)肌に手のひらで直接触れることで温もりが伝わり、血行促進とリラクゼーション効果が期待できる(4)手で触ることで肌の状態を確認できる―などが挙げられます。
デメリットとしては、手のひらの凹凸によって均等に化粧水をつけることができず、つき方にムラができてしまうことや、小鼻や目元、口周りなどは化粧水をつけづらいこと、また、不衛生な手でつけると雑菌や汚れがついてしまうことなどが挙げられます」
Q.皮膚科医からみて、「コットン」と「ハンドプレス」のどちらを推奨しますか。
佐藤さん「皮膚科的観点では、肌にとって刺激となることは肌トラブルだけでなく、シミやたるみの原因にもなるので、できるだけ刺激の少ないやり方がよいという点、そして肌の状態を確認できるという点で、どちらか一つと言われれば、ハンドプレスを推奨します。ただし、どちらの方法にもメリットとデメリットがあります。正しい方法で行えばどちらも問題はなく、自分がやりやすい方で行っていただければと思います」
Q.どちらの方法がよいか迷った際、目安となるポイントはありますか。
佐藤さん「化粧品メーカーによって、それぞれの利用シーンを想定した推奨方法があるので、それに従ってください。敏感肌の人や、肌荒れが気になる人はハンドプレスをお勧めします。一方、『毛穴を引き締めて皮脂分泌を減らしたい』『乾燥する部位を入念に保湿したい』といった場合は、コットンを使用するのがよいでしょう」
Q.コットンとハンドプレスのそれぞれについて、化粧水をつける際の注意点を教えてください。
佐藤さん「コットンの場合は、コットンにつける化粧水の量が少ないと毛羽立ちやすくなって肌への刺激となるので、化粧水をたっぷりと染み込ませて使うことが大事です。摩擦による刺激を極力減らすため、肌にコットンを優しく滑らせることを心掛けてください。また、コットンは柔らかく肌触りがよいものを選びましょう。コットンが毛羽立っていて、肌に引っかかる感触がある場合は、肌にダメージを与えている可能性があるので、触ってみて不快感がないか確認することが重要なポイントです。
ハンドプレスの場合は、手をよく洗って清潔な状態で行ってください。そして、どちらにもいえることですが、パッティングは力を入れ過ぎないことです。肌の刺激が強いとシミやシワの原因になります」
(オトナンサー編集部)
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