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職業安定法改正で「求人票」と「内定通知書」の条件が違ったらツッコミOK…投稿話題に、弁護士に聞く

改正職業安定法が施行され、内定通知書などで提示された労働条件が求人票と違う場合は「ツッコんで大丈夫」との投稿が話題に。SNS上では「これは朗報」「うんざりしてたからうれしい」などの声が上がっています。

改正職業安定法施行で何が変わった?

 職業安定法に関する投稿がSNS上で話題となっています。2018年1月1日に改正職業安定法が施行され「募集段階で明示した条件を変更する場合は書面で伝えないとダメってことになった」「もし最終面接やら内定通知書やらで『求人票と違う!』ってなったらツッコんで大丈夫」との投稿に対し、「これは朗報」「今まで求人と違う条件の面接が多すぎてうんざりしてたからうれしい」「雇用契約書の金額訂正して出されたことあるけどどうなるのかな」などの声が上がっています。職安法改正の前後で何が変わったのでしょうか。オトナンサー編集部では、芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

変更内容をわかりやすく明示すること

Q.職業安定法が改正され、上記内容が認められるようになったのは事実ですか。

牧野さん「事実です。2018年1月1日から改正職業安定法が施行されており、労働者を募集する雇用主は、労働条件の明示を徹底しなければなりません。雇用主が労働者の募集を行う場合、所定の労働条件について少なくとも以下の事項を書面の交付(求職者が希望する場合は電子メールも可)によって明示する必要があります。業務内容、契約期間、就業場所、就業時間、休憩時間、休日、加入保険、試用期間、時間外労働(裁量労働制を採用している場合はその記載)、賃金月給(固定残業代を採用する場合はその記載)、募集者の氏名または名称、派遣労働者として雇用する場合はその旨、です」

牧野さん「さらに今回の改正により、当初明示した上記の労働条件に変更があった場合、確定後可能な限りすみやかに、その変更内容についてわかりやすく労働者へ明示しなければなりません(第五条の三第三項)」

Q.今回の法改正がなされた背景には何があるのでしょうか。

牧野さん「当初の雇用主の労働条件とは異なる、労働者に不利益な労働条件で雇用契約を締結させるケースが多いことが挙げられます。こうしたケースに対し、行政も指導・監督できるように法改正された事情があります」

Q.最終面接時や書面などで求人票の募集条件と異なる内容を提示された場合、どのように対処すべきでしょうか。

牧野さん「どうしても就労したいのであれば、変更後の不利な労働条件であっても受け入れても構いませんが、納得がいかない場合、当初の労働条件でないと雇用契約を締結できない旨を雇用主へはっきりと伝えるべきでしょう。それでも、労働者が満足のいく労働条件の回答を得られない場合は、契約はまだ成立していないので、雇用契約の締結と就労を拒否して新たな仕事を探すべきでしょう。一方で、雇用主から変更を明示した書面を提示され、雇用契約を締結してしまうと『変更後の不利な労働条件を受け入れた上で雇用契約を締結した』と解されてしまうため、どうしても納得が行かなければ、やはり断る勇気が必要です」

Q.そのほか、今回の法改正で私たちの職業生活に身近と思われる内容はありますか。

牧野さん「これらの通知義務、変更通知義務に雇用主が違反した場合、行政処分や行政指導が行われる可能性がありますが、直接の罰則は設けられていません。なお、雇用主が悪質なケースでは、虚偽の条件を提示して公共職業安定所もしくは職業紹介を行う者に求人の申し込みを行った場合、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます(第六十五条)」

(オトナンサー編集部)

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。