口八丁な夫の「謝罪」に欺かれ離婚…39歳女性の“勘違い”に学ぶ「夫婦の謝罪力」の重要性
さまざまなもめ事がつきものの夫婦生活では、「謝る場面」がしばしば登場します。そんなときに問われるのは「謝る力」、そして「パートナーの謝り方を見極めること」だと筆者は指摘します。
「謝罪の王様」という、宮藤官九郎さん脚本、阿部サダヲさん主演の映画がありました。上手に謝ることでトラブルを解決し、平穏を取り戻していこうという“謝罪”にまつわる物語です。さまざまな「謝る場面」が繰り広げられるのですが、中には「そんな開き直った態度の謝り方では、さらに腹が立つ」と思える場面もあります。「謝る力」に誠意がこもらなければ、逆ギレを呼ぶことは誰しも気付いていることでしょう。
この「謝る力」。一生添い遂げる夫婦にとっては最重要の力です。パートナーに責められたとき、話し合うことなく謝るだけで万事が丸く収まるかといえば、そんなことはないからです。夫婦は対話をし、理解し合ってこそ継続します。「ごめん」だけで100%気が済むわけではありません。
口八丁な夫を「手のひらで転がしている」と勘違いしていた妻
沙織さん(39歳、仮名)と克己さん(45歳、同)は、夫の方が年上ながらも、はたから見れば“かかあ天下”といった夫婦でした。お二人の間には6歳のお子さんがいます。
沙織さんはいつも「旦那は私にぞっこんで、私が言う通りに動いてくれる」と、人目をはばからず夫をばかにしたり、指図したりしていました。そんな沙織さんに対し、克己さんは「そうなんだよね。俺は沙織ちゃんあってこそだよ」と、素直に受け入れているように見えます。
一方で、克己さんはつまみ食い的な軽い浮気をするタイプ。それが沙織さんにバレると、「二度としません。愛しているのは沙織ちゃんだけです」と土下座して謝り、沙織さんに言われるまま高価な服飾品などをプレゼントします。沙織さんは、そんな浮気夫を「自分の手のひらで転がしている」と上から目線でいました。
ここまでの話を聞いたとき、私は「浮気されても、謝ってもらえればそれでいいのですか。なぜ夫が浮気をしてしまうのか、根本的な解決をしないの?」と尋ねました。沙織さんは「愛しているのは私だけって言っているし、土下座して謝るくらい私のことが好きなんですよ。プレゼントも買って謝ってくれるし。男ってつまみ食いしたいものですよね。浮気しない男なんていないと思います」と、思い込みの激しい“男性論”を繰り広げました。
その後、沙織さんは克己さんから「離婚してほしい」と言われます。驚いた沙織さんが克己さんに理由を聞くと、「愛している人がいる」と。「私のことを一番愛していたんじゃないの」とパニックになる沙織さん。克己さんはせせら笑い、こう言ったそうです。
「そう言えば納得するんだから、本当ばかだよね。デキ婚して本当に後悔したよ。何で結婚しちゃったんだろうって。でも離婚するって体力使うし、面倒くさいなって思ってただけ。適当に浮気して息抜きすればいいやって。本当に一緒にいたい女ができたので、離婚してほしい。そのために慰謝料も用意しているから」
そうです。克己さんは沙織さんとの離婚を視野に入れ、慰謝料の準備までしていたのでした。沙織さんは、最低夫にしてやられたのです。
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