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目の不調につながる“まつ毛ダニ”に「怖いよー」「5人に1人は住んでる」の声、原因や予防法は?

まつ毛にいるダニ「まつ毛ダニ」の存在についてSNS上で話題となっています。さまざまな目の不調にもつながるとされる、まつ毛ダニですがその原因や症状、予防法はどのようなものでしょうか。

あなたのまつ毛にも「まつ毛ダニ」がいるかも…?

 まつ毛にいるダニ、通称「まつ毛ダニ」の存在に注目が集まっています。自分のまつ毛にダニがいると思っただけでも気分が悪くなりそうですが、まつ毛ダニは、ドライアイをはじめとする目の不調の原因となる可能性も指摘されています。SNS上でも「まつげダニ怖いよー」「5人に1人はまつげにダニが住んでるの」などの声が上がっていますが、その原因や予防法とはどのようなものでしょうか。オトナンサー編集部では、慶應義塾大学特任講師の川島素子さん(眼科)に聞きました。

まつ毛ダニは「ニキビダニ」の一種

Q.そもそも、まつ毛ダニとはどのようなダニでしょうか。

川島さん「正式名は『デモデックス(Demodex)』といい、『顔ダニ』と呼ばれて話題になった『ニキビダニ』の一種です。ニキビダニには、毛の毛根に生息する『Demodex folliculorum』と、皮脂腺にいる『Demodex brevis』の2種類があります。まつ毛にいるのは主に前者で、肉眼では確認できませんが顕微鏡では比較的簡単に見えます。高齢者をはじめ、眼瞼炎(がんけんえん)やマイボーム腺機能不全(MGD)の人、ものもらいを繰り返す人など、眼瞼の状態が悪い人に多く寄生しているという報告が多いです。ただし、健康な目の状態を保っている人でも、調べるとまつ毛ダニが見つかることはあります。論文としてまとめられている研究では、まつ毛を5本抜いて顕微鏡でダニの有無を調べ、見つかった数の平均値を取ることが多くあります。現時点では『一匹でも見つかると危険』などのように、まつ毛ダニ自体に高い病原性があるとは言いにくいと思われます。最近の研究では、いくつかの目の病気において症状が悪化するとまつ毛ダニが増えることや、逆にまつ毛ダニを落として清潔にすると改善するといった相関性が明らかになってきています。おそらく、皮膚にいる細菌との相互関係なども考えられますが詳細は分かりません」

Q.まつ毛ダニの寄生による自覚症状はありますか。

川島さん「生息数が少ない場合、自覚症状は出てこないと思います。増殖すると、毛根が弱くなる、まつ毛が抜けやすくなる、毛の根元が炎症を引き起こす、といったように眼瞼の状態が悪化し、かゆみや目のゴロゴロ感、異物感などの自覚症状の原因になります」

Q.まつ毛ダニが引き起こす目のトラブルにはどのようなものがありますか。

川島さん「MGDを引き起こす、または増悪させる可能性があります。MGDになるとマイボーム腺から分泌される油分が供給されなくなり、涙が蒸発してしまう『蒸発亢進(こうしん)型』のドライアイになります。MGDは加齢によっても起きやすくなるほか、若い人でも生じることがあり、まつ毛ダニの関与がどの程度の影響を及ぼすかは今後の研究課題です。その他、霰粒腫(さんりゅうしゅ、『ものもらい』の正式名)をはじめとする眼瞼の炎症で、異物感やかゆみを伴う症状を引き起こすこともあります」

Q.まつ毛ダニによる目のトラブルを予防する方法や治療法について教えてください。

川島さん「治療は『リッドハイジーン(眼瞼清拭)』が基本です。1日2回、症状が落ち着いたら1日1回、目元を洗う方法で、これを毎日の習慣とし、まつ毛ダニを除去して目元を清潔に保つ必要があります。目元専用のシャンプーを使用するのが便利です。目を温めて油分の詰まりを溶かす、温あん法を行ってからリッドハイジーンを行うとより効果的です。メイクをする人は、洗顔で落としきれていないマスカラの成分や汚れがマイボーム腺の詰まりの原因になるほか、これらがまつ毛ダニのえさになるとも言われています。毎晩、目元の汚れやメイクをしっかり落とすように習慣付けることで、まつ毛ダニ増殖の予防につながるでしょう」

(オトナンサー編集部)

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川島素子(かわしま・もとこ)

慶應義塾大学医学部眼科学教室特任講師、久喜かわしま眼科非常勤医師

1998年慶應義塾大学医学部卒業。現在、同大医学部眼科学教室特任講師および久喜かわしま眼科非常勤医師。日本眼科学会専門医、日本抗加齢医学会評議員、ドライアイ研究会特別委員、LIME研究会世話人。久喜かわしま眼科ホームページ(https://www.kuki-eye-clinic.jp/)。