売り上げトップになった営業マンが実践した「声」にまつわる努力とは?
コミュニケーションツールが多様化しても「声」の大切さは変わらないようです。専門家に「声」について聞きました。
メールやチャットなどのコミュニケーションツールが多様化している現在、「声」を出すコミュニケーション離れの傾向があると言われています。ところが、オンライン会議の増加やAndroid版も参入したClubhouse、ツイッターも音声サービスがスタートした影響もあり、自分の声や話し方を見直す人が増えています。特にオンライン会議ではタイムラグなどもあり、聞こえにくい、こだまして聞こえるなどの現象も起きています。今回は、フリーアナウンサーとしてボイストレーニングも行っている山崎聡子さんに「声」について聞きました。
トップの先輩の「声」まねる
Q.自分の声が嫌いという人が多いのですが、声を変えることはできるのでしょうか。
山崎さん「トレーニングや、自分で普段から声を意識することで、声を変えることはできます。例えば、『通る声』『明瞭な声』というような声質にしたり、『高い声』『低い声』といった声のトーンを変えたりということです」
Q.具対的には、どのようにすればいいのですか。
山崎さん「ボイストレーニングを行うのも一つの方法ですが、すぐに行えることは自分の声を『意識』し、自分が理想と思う人の声を『まねる』ことです。私のクライアントに不動産会社営業マンのAさんがいます。彼は、自身で意識して声を変えることで、20代半ばにして、社内売り上げナンバーワンを達成しました。そのときに実践したのが『毎年、売り上げナンバーワンを達成しているB先輩の声をまねること』でした。
Aさんの声は、元は高めの声でした。しかし、理想とするB先輩の声をよく聞き、まねることでその声に近づくことができました。Aさんは低音で落ち着きのある声になり、その結果、売り上げナンバーワン営業マンになったのです。他人の声をまねるだけで自分の声が変わり、仕事でも結果を出せるのは一石二鳥ですね」
Q.声を出すこと自体に苦手意識がある場合は、どうすればいいのでしょうか。
山崎さん「自分の声が嫌いという人の大半は『録音や動画で聞く自分の声が普段と違っていて嫌だ』と言います。電子機器を通した声は、自分が思っている以上に声の音量が小さくなっていたり、こもって聞こえたり、対面で話すときよりも聞き取りにくかったりします。ところが、自分が気にするほど、周囲は人の声をそんなに気にしていないのが現状です。まずは自身で苦手だと思わないようにすることが大事です」
Q.オンライン会議やスマートフォンなど、電子機器を通すときの声の出し方で意識することはありますか。
山崎さん「相手にしっかり伝えるという意識で声を出すことが一番大切です。相手が聞き取りやすいように話すということですね。方法としては口をしっかり動かして話すこと。日本語は、口をあまり動かさずに発声しても聞き取れる言語です。しかし、それゆえに明瞭さに欠けて、モゴモゴした話し方になってしまい、聞き取りにくくなりがちだからです。
また、相手に見えていなくても動きは声に出ます。動きとは身ぶり、手ぶりやお辞儀などのことです。気持ちは態度に出て、態度は声に出ます。動きをつけながら声を出してみると、気持ちが声に乗って伝わりやすくなりますね」
Q.その他、山崎さんがいい声を出すために普段から気を付けていることがあれば教えてください。
山崎さん「それは、喉の乾燥を防ぐことです。乾燥を防ぐために、普段から『鼻呼吸』を意識しています。口呼吸はダイレクトに外気が喉に入るため、喉が乾燥しやすくなります。しかも、口呼吸は喉の温度を0.1~0.5度下げるので免疫力が低下し、風邪をひきやすくなります。
鼻呼吸は、鼻毛と粘膜が加湿器の作用と細菌等の防御作用をしてくれます。そして、鼻呼吸のときの舌の位置にも気を付けています。舌を正しい位置に置くことで唾液の分泌がよくなり、唾液が乾燥を防いでくれます。
また、乾燥とともに、首を冷やさないようにも気を付けています。首を冷やすと喉を痛めやすくなります。私自身、冷房で首が冷えて声がガラガラになったという経験があります。それ以来、夏でもストールを持ち歩き、冷房の効いた建物や電車の中では首にストールを巻くようにしています」
(オトナンサー編集部)
コメント