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重要なのは量だけじゃない? 「タンパク質」を多く含む食べ物を紹介

筋肉や臓器、髪の毛などの元となる「タンパク質」。ここでは、目的に合わせた効率的なタンパク質の摂取方法をご紹介します。

タンパク質を効率よく摂取しよう

 人間の体の約60%は水分ですが、15%前後はタンパク質でできています。筋肉はもちろん、臓器や髪の毛、爪もタンパク質で作られています。そのため、食事からのタンパク質の摂取量が不足すると、肌荒れや髪のパサつき、凹凸のある爪など、見た目に影響を与えるだけでなく、酵素やホルモン、ウイルスから体を守る抗体もうまく作り出せなくなり、体調を崩しやすい体になってしまいます。

 オトナンサー編集部では、目的に合わせた効率的なタンパク質の摂取方法について料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。

タンパク質って何?

「良質なタンパク質」という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、「質が良い」とされるのには理由があります。

 タンパク質は、20種類のアミノ酸が結合してできています。一つのタンパク質を作るためには、アミノ酸の種類や結合の順番、数などが決められています。仮にアミノ酸が一種類でも足りなければ、作りたいタンパク質が生成されなくなってしまうのです。たとえば「髪の毛を作りたいのに作れない」ということがパサパサの髪の毛になっている原因の一つです。

 体が必要とする20種類のアミノ酸には、「体の中で作り出せるアミノ酸」と「食事からの摂取が必要なアミノ酸」の2種類に分類されます。このうち、後者のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。必須アミノ酸は9種類で構成され、良質なタンパク質を見極めるポイントになります。

 人間の体内で生成されない必須アミノ酸は食べ物から取り入れる必要があります。必要な必須アミノ酸の量はまちまちなので、体が必要とする9種類の必須アミノ酸をすべて補うことができ、その量を効率よく摂取できる食べ物が良質なタンパク質と言えます。

 テレビの大食い選手権に出場できるような人であれば、効率を考えなくても必要量を取り入れられるかもしれませんが、その考え方は普通の食生活には不向きです。質が高く、少ない量で必要量をまかなえることが大切です。

タンパク質の点数

 ところで、タンパク質には点数がつけられています。これを「アミノ酸スコア」といいます。食品の各必須アミノ酸の含有量を、人が必要としている基準のアミノ酸量で除して割合(%)を算出します。たとえば、すべての必須アミノ酸で100%を超えた場合、その食品のアミノ酸スコアは100と表します。しかし、100%に満たないアミノ酸が存在した場合、その中で最も少ないアミノ酸(第一制限アミノ酸)の割合がその食品のアミノ酸スコアとなるのです。では、主な食品のアミノ酸スコアを見ていきましょう。

【穀類】

・米…65

・うどん(生)…41

・食パン…44

・中華麺(生)…38

・スパゲッティー(乾)…38

【イモ類】

・ジャガイモ…73

・サツマイモ…83

【豆類】

・豆腐…82

・豆乳…86

・油揚げ…77

・大豆…86

・枝豆…92

【野菜類】

・ダイコン…27

・ニンジン…55

・キャベツ…53

・ブロッコリー…80

・カボチャ…68

・トマト…51

・キュウリ…66

【果物】

・バナナ…66

・イチゴ…66

・リンゴ…58

【卵・乳類】

・鶏卵…100

・牛乳…100

・ヨーグルト…100

・チーズ(ナチュラル)…92

【肉類】

・牛肉…100

・豚肉…100

・鶏肉…100

・牛ひき肉…97

・豚ひき肉…96

・鶏ひき肉…100

・ウインナー…100

・ハム(ロース)…100

・ベーコン…95

【魚介類】

・アジ…100

・サケ…100

・ブリ…100

・サンマ…100

・イワシ…100

・カツオ…100

・クルマエビ…74

・イカ…71

・タコ…71

・ホタテ…71

・アサリ…81

 動物性食品のアミノ酸スコアは高く、植物性食品はそれよりも劣ります。しかし、植物性食品の中でも豆類は高い値を示します。

食事1回あたりの食品別タンパク質量

 次に、食事1回あたりに使用される食品量別にタンパク質量を見ていきましょう。タンパク質量については100グラムごとで表記されている資料が多いですが、すべての食品を1食当たり100グラムずつ食べるわけではありません。以下は、1回目安量で表しています。なお、タンパク質の推奨量は成人男性60グラム/日、成人女性50グラム/日です。

■主な食材のタンパク質含有量一覧表(1回目安量あたり)■ 

左:目安量/右:タンパク質量

【穀類】

・米…70/4.3

・うどん(生)…240/14.6

・食パン…60/5.6

・中華麺(生)…160/13.8

・スパゲッティー(乾)…70/9.1

【卵・乳類】

・鶏卵…50/6.2

・牛乳…200/6.6

・ヨーグルト…100/3.6

・チーズ(プロセス)…20/4.5

【肉類】

・牛肉…60/12.4

・豚肉…60/12.5

・鶏肉…60/9.7

・牛ひき肉…60/11.4

・豚ひき肉…60/11.2

・鶏ひき肉…60/12.5

・ウインナー…30/4.0

・ハム(ロース)…20/3.3

・ベーコン…20/2.6

【イモ類】

・ジャガイモ…40/0.6

・サツマイモ…40/0.5

【豆類】

・豆腐…100/4.9

・豆乳…200/7.2

・油揚げ…20/3.7

・大豆(ゆで)…20/0.6

・枝豆…20/2.3

【野菜類】

・ダイコン…30/0.2

・ニンジン…20/0.1

・キャベツ…40/0.5

・ブロッコリー…30/1.3

・カボチャ…40/0

・トマト…40/0.3

・キュウリ…40/0.4

【魚介類】

・アジ(1尾)…55/11.4

・サケ(1切れ)…70/15.6

・ブリ(1切れ)…70/15.0

・サンマ(1尾)…100/18.5

・イワシ(1尾)…80/15.8

・カツオ(3切れ)…50/12.5

・クルマエビ(中・3尾)…75/16.2

・イカ…50/7.5

・タコ…50/8.2

・ホタテ…50/6.8

・アサリ…20/1.2

【果物】

・バナナ…100/1.1

・イチゴ…50/0.5

・リンゴ…50/0.1

 この表でも、前述の「質」についての結果同様、タンパク質の含有量は動物性食品の方が多い傾向にあります。また、植物性食品の中では穀類、豆類の含有量が多めです。質・量ともに優れているのは動物性食品と豆類です。穀類は量的には補えますが質が劣るので、総合的に判断すると良質なタンパク質とは言えません。

タンパク質食品の選び方とレシピ【ダイエット編】

 穀類であるご飯、パン、麺と一緒に、おかずとなる動物性食品を食べることで、穀類に足りないアミノ酸が補えるだけでなく、穀類のタンパク質の効果がアップします。これを「アミノ酸の補足効果」と言います。よく「ご飯もおかずもバランスよく食べましょう」と言われますが、タンパク質を効率よく摂取する上でこの考え方は適しているのです。

 ここでは、ダイエットや筋トレを行っている人に向けて、それぞれに合ったタンパク質食品や料理の選び方をご紹介します。ポイントは動物性食品と豆類です。

<ダイエット編>

 ダイエット中は、1回に食べる量を制限する場合が多いため、少ない量でタンパク質を質的・量的に補うことが重要です。また、カロリーも控えめでなくてはなりません。

1.選び方

・主食である炭水化物は少なめにします。食物繊維が多く、腹持ちの良いもち麦や雑穀を使ったご飯をよくかんで食べるのがオススメです。

・主菜の肉類は脂の少ない部位を選びます。ひき肉を利用する場合、意外と脂肪が多いので低脂肪の部位を選び、豆腐やおからで量を増す工夫を。ハムやベーコンなどの加工肉は添加物や塩分が多いので控えるようにします。

・魚料理は1切れを焼くだけでなく、野菜あんかけやホイル焼きなどでボリュームを出します。低脂肪・高タンパクのエビやホタテ、タコ、貝類などもオススメです。

2.おすすめレシピ

【豆腐とひき肉のつくね】

 良質なタンパク質の鶏肉と豆腐をダブルで使用しています。胸肉と、テフロンのフライパンを使用することで油の摂取量も抑えられ、低カロリーです。ダイエット中は食事量が減ることにより貧血を起こしやすいため、ひじきをプラスしました。

【材料(1人分)】

・鶏むねひき肉…65グラム

・豆腐(絹)…50グラム

・ひじき(戻したもの)…15グラム

・長ネギ(みじん切り)…10グラム

・ショウガ(おろし)…1/2かけ

・塩コショウ…少々

・片栗粉…適量

・大葉…3枚

・しょう油、酒、みりん…各小さじ1

【作り方】

1.ボウルにひき肉、豆腐、戻したひじき、長ネギ、ショウガ、塩コショウ、片栗粉を入れ、粘りが出るまで混ぜます。

2.「1」を3等分にし、丸く形を整え、大葉でくるみます。

3.テフロンのフライパンを中火で熱し、「2」を入れ、フタをして両面を焼きます。

4.しょう油、酒、みりんを合わせてフライパンに流し入れ、絡めながら火を通します。

【サケのあっさりミルク煮】

 良質なタンパク質の鮭と牛乳をダブルで使用したメニュー。シチューにすると、バターによってカロリーが上がるため、牛乳と片栗粉で仕上げます。だし昆布とショウガを使うことで和風の味付けになり、ご飯にも合います。

【材料(1人分)】

・サケ…1切れ

・キャベツ…50グラム

・塩…少々

・だし昆布…5センチ×5センチ

・ショウガ(千切り)…1/2かけ

・牛乳…150ミリリットル

・しょう油…小さじ1/2

・塩コショウ…少々

・片栗粉…小さじ1

【作り方】

1.ざく切りにしたキャベツに塩を振り、ハサミで細切りにしただし昆布を混ぜてしばらく置き、しんなりさせます。

2.サケの切り身を4等分に切ります。

3.テフロンのフライパンにサケを入れて焼き色を付け、「1」のキャベツとショウガを加えて炒めます。

4.牛乳を加えて煮込みます。

5.しょう油を加え、好みに応じて塩コショウで調味します。

6.水溶き片栗粉でとろみをつけます。

タンパク質食品の選び方とレシピ【筋トレ編】

<筋トレ編>

 筋力トレーニングにより筋タンパク質が破壊されるため、食事で十分なタンパク質を取ることが大切です。筋タンパク質の合成が活発になるのはトレーニング終了後から2時間前後とされています。消化吸収の時間を考えると30分以内に食事を取るのが理想的です。しかし、タンパク質の多い食品は脂質も多く含むため、食べ過ぎには注意が必要です。

 また、糖質補給も重要です。トレーニングでは糖質をエネルギー源として利用し、枯渇しています。その状態でタンパク質ばかりを補ったとしても、せっかくのタンパク質がエネルギー産生に使われてしまいます。筋力トレーニング後はタンパク質と糖質補給を同時に行うのがベストです。

1.選び方

・主食をしっかりと摂取するため、おかずの味付けにメリハリを付けます。

・主菜は動物性食品をメインにし、少しでも早く消化吸収ができるように食物酵素が多く含まれる発酵食品や野菜、果物をプラスします。特に、ダイコンは消化酵素を豊富に含むため、大根おろしなどで仕上げるとタンパク質源をさっぱりと無理なく補えます。

・鉄やカルシウムなどの微量栄養素とは異なり、タンパク質は食事から補いやすいので、プロテインは必ずしも必要ありません。

・トレーニング後、コンビニなどで手軽に補給できる組み合わせは「肉まん+100%オレンジジュース+おにぎり(サケ)+牛乳」です。

2.おすすめレシピ

【鶏手羽元と大豆のしょうゆ煮】

 良質なタンパク質の鶏肉と大豆を使用し、ご飯が進むしょう油味に仕上げています。

【材料(1人分)】

・鶏手羽元…2本

・ショウガ(薄切り)…1/2かけ

・ゆで大豆…30グラム

・ダイコン…100グラム

・ゴマ油…小さじ1

※合わせ調味料

・水…100ミリリットル

・酒…大さじ1

・しょう油…小さじ1

・砂糖…小さじ1/2

・ショウガ(みじん切り)…1かけ分

【作り方】

1.ショウガの薄切りと手羽元をたっぷりの湯で一緒にゆでます。

2.ダイコンは厚さ2センチの半月切りにします。

3.鍋にゴマ油を熱し、「1」と「2」を炒めます。

4.ゆで大豆と合わせ調味料を加え、弱火で20分ほど煮込みます。

良質なタンパク質を効率よく

「目的に合わせた良質なタンパク質食品を選んで体作りを始めましょう。体作りのためにボリューム満点のおかずを食べる必要はありません。注目したいのは動物性食品と豆類です。良質なタンパク質を効率よく食べて、ダイエットも筋力アップも成功させましょう」(関口さん)

(オトナンサー編集部)

関口絢子(せきぐち・あやこ)

料理研究家・管理栄養士・インナービューティースペシャリスト

米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー。企業やウェブサイトなどの各種メディアで、レシピやコラム、企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し、CM用のフードコーディネートやフードスタイリング、商業施設のフードプロデュースなど多岐にわたり活動。「毎日続けられること」をモットーに簡単・おいしい・おしゃれ、かつ美容と健康に直結したレシピを発信。自らの体調不良を食で克服した経験から執筆した著書「キレイになる!フェロモンレシピ」で「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、女性が一生輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めている。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/)。

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