長澤まさみさんは注文されれば燃えてくる女優 映画「嘘を愛する女」中江和仁監督インタビュー
1月20日公開の映画「嘘を愛する女」は、長澤まさみさん演じる川原由加利が交際相手の小出桔平(高橋一生さん)の経歴がウソだと知り、その過去を探るラブストーリーです。中江和仁監督に映画化のきっかけなどを聞きました。

1月20日から公開される映画「嘘を愛する女」。付き合って5年になる川原由加利(長澤まさみさん)と小出桔平(高橋一生さん)のカップルですが、ある日、桔平が倒れたことがきっかけで、彼の経歴が全てウソだということが分かってしまいます。本当の桔平を知ろうと、由加利が彼の過去を探していく……というラブストーリーです。
オトナンサー編集部では先日、メガホンを取った中江和仁監督にインタビュー。映画化のきっかけやキャストの印象、自身にとって「ウソ」とは何かなどを聞きました。
「何かを残そうとする人間の性」
Q.実際の事件のどのようなところが気になり、映画化しようと思ったのですか。
中江監督「高校生の頃、辻仁成さんのエッセイを読んで、一緒にいた人の経歴が全てウソだったという事件のことを知り、『変わった人がいるな』と思いました。誰かが殺されるとかそういう事件ではありませんでしたが、人が何かを残したいと思って小説を書いたこと、そして、書かざるを得なかったものが何なのか、そういうところが気になりました。書かれた小説も本当のことが書いてあるかもしれませんし、ウソしか書かれていないかもしれません。発表する気もなかったかもしれないけど、何かを残そうとする人間の性(さが)に若かった私は興味を持ち、映画化したいと思いました」
Q.恋愛観が興味深いですね。
中江監督「実在の事件の奥さんが『二人で過ごした時間はウソではない』とおっしゃっていて、ウソをつきながらも愛していけるのかと最初に疑問を持ちました。年齢を重ねてからの恋愛は、10代の頃のキャピキャピした勢いだけの恋愛とは違います。『本当の愛』があったのかどうか興味を持ちました。15才の頃に事件のエッセイを読んで、年を重ねて結婚し、自分が嫁のことを本当に愛しているのか問いかけてみました」
Q.相手のためのウソや保身のためのウソなどありますが、監督にとってウソとは何でしょうか。
中江監督「保身のためのウソをこれまでよくついてきましたが、やめようと思いました。経験のある方々にはそういうウソは見透かされてしまいます。自分を大きく見せようとしない、知らないことは知らないと言う。見栄は切らない方が信頼されると感じました」
Q.会心のシーンはどこでしょうか。
中江監督「うまくいっているか分かりませんが、最後の長澤さんが高橋さんに話すシーンです。ほかは細かくカットを割っているのですが、最後のシーンだけワンカットで撮りました。なかなか大変なシーンで何テイクも撮り直しました」
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