オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

ドラッグストアの「菓子」や「カップ麺」はなぜ、スーパーよりも安いのか

ドラッグストアの中には、医薬品や化粧品以外に菓子やカップ麺などの食品を販売している店がありますが、ほとんどの場合、コンビニやスーパーよりも安く売られています。なぜでしょうか。

ドラッグストアの食品、なぜ激安?
ドラッグストアの食品、なぜ激安?

 ドラッグストアの中には、医薬品や化粧品以外に菓子やカップ麺などの食品を販売している店があり、ほとんどの場合、コンビニやスーパーよりも安く売られています。そのため、菓子やカップ麺を買う目的でドラッグストアに行く人も多いのではないでしょうか。ドラッグストアの菓子やカップ麺がコンビニやスーパーよりも安い理由を経営コンサルタントの大庭真一郎さんに聞きました。

食品は来店増につながる

Q.ドラッグストアは医薬品や化粧品をメインに販売するお店です。にもかかわらず、なぜ、食品など、医薬品や化粧品以外のものも販売しているのでしょうか。

大庭さん「医薬品や化粧品は消費者が頻繁に購入するものではありません。そのため、ドラッグストアの売り場で医薬品や化粧品だけしか扱わなかった場合、消費者の来店頻度が低くなってしまうため、購入頻度が高い食品などを扱い、来店する機会を増やしているのです。

また、ドラッグストアが医薬品や化粧品だけしか扱わず、消費者の来店頻度が高いコンビニやスーパーが医薬品や化粧品を取り扱った場合、日用品と一緒についで買いされ、ドラッグストアの販売機会の損失も生じます。このことから、ドラッグストアも食品を中心とした日用品を取り扱い、消費者の来店頻度を高めることで、トータルでの売り上げの向上を図っているのです。

ちなみに、経済産業省による全国のドラッグストアを対象とした調査(2015年商業動態統計)では、食品の売り上げが全体の25%を占めるという結果が出ています」

Q.菓子やカップ麺などの食品はコンビニやスーパーよりも安く売られています。なぜ、安く売ることができるのでしょうか。

大庭さん「ドラッグストアのメインの商材である医薬品や化粧品はともに、利益率が高い商品です。医薬品は販売に対する規制が多いことで新規参入しづらく、それにより、価格競争が発生しないため、高価格(定価)で販売することができ、高利益率になりやすいです。化粧品もブランド力が強く、値崩れしないため、同様に高利益率が確保できます。

そのため、ドラッグストアは食品や日用品の値段を下げて集客し、利益率の高い医薬品や化粧品のついで買いをしてもらうことで利益を得ているのです。食品や日用品を大量仕入れを行うことで仕入単価を下げることができることも、チェーンによる多店舗展開を行っているドラッグストアが安く売れる理由の一つです」

Q.ドラッグストアで売られている菓子はスナック菓子のような、消費期限が長いものが中心です。なぜ、ケーキやプリンなどのデザートを販売しているドラッグストアは、ほとんど見掛けないのでしょうか。

大庭さん「ケーキやプリンなどの生菓子は日持ちしないため、廃棄による原価ロスのリスクを伴います。現状のドラッグストアでは、日持ちする菓子やカップ麺、その他の日用品によって、十分な集客が実現されているため、廃棄による原価ロスのリスクを伴う商材を取り扱わない店が多いのではないかと考えられます。

また、商品を陳列するスペースには限りがあるため、安く販売できる菓子やカップ麺などの品ぞろえを充実させることで、集客力を高めることの方が効果的だという考えがあると思われます」

Q.酒類を販売しているドラッグストアもあります。薬とアルコールの組み合わせは危険な場合もありますが、その両方を同じ店で販売することに倫理上の問題はないのでしょうか。

大庭さん「ドラッグストアがビールを中心としたアルコール類を販売している理由も集客力を高めるためです。医薬品が人の健康を維持・改善するためのものである一方、アルコール類は健康を害する効果も含んだものであることも事実です。一見、倫理上の問題があるようにも映りますが、特売などで大量に酒類を販売したり、飲酒をあおったりするような売り方をしているわけではないので問題ないかと思います」

Q.将来的に、ドラッグストアは医薬品や化粧品以外の商品がさらに増え、コンビニやスーパーとの違いがなくなるのでしょうか。

大庭さん「将来的に、ドラッグストアにおける医薬品や化粧品以外の商品を販売する割合が今よりもさらに高くなり、コンビニやスーパーとの境がなくなっていく可能性が大きいと私は考えています。理由はネット販売が充実化していること、そして、日本の人口が減少していることです。

今の時代はたいていの商品がネットで購入できるため、実店舗に足を運んでもらうには、買い物に関する消費者の利便性を高める必要があります。そのために、販売する商品の品ぞろえを充実させる必要があります。また、人口が減少していくということは店舗間での集客を巡る競争が激しくなるということであり、それに対しても、販売する商品の品ぞろえを充実させることで、消費者の利便性を高めることが必要です」

(オトナンサー編集部)

大庭真一郎(おおば・しんいちろう)

中小企業診断士、社会保険労務士

東京都出身。東京理科大学卒業後、企業勤務を経て、1995年4月に大庭経営労務相談所を設立。「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心に企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。以下のポリシーを持って、中堅・中小企業に対する支援を行っている。(1)相談企業の実情、特性に配慮した上で、相談企業のペースで改革を進めること(2)相談企業が主体的に実践できる環境をつくりながら、改革を進めること(3)従業員の理解や協力を得られるように改革を進めること(4)相談企業に対して、理論より行動重視という考えに基づき、レスポンスを早めること。大庭経営労務相談所(https://ooba-keieiroumu.jimdo.com/)。

コメント

1件のコメント

  1. この記事は医薬品卸の商習慣に言及していませんね。支払いサイトが半年超えとか、新規出店でリベートを出すとか。
    さらに問題なのは、食品卸がドラッグストアと取引希望の際にも、医薬品並みの条件を要求されることです。