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本格ブレークの予感? 城田優が引っ張りだこの理由と唯一無二の武器

NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」でナレーションを務め、「コンフィデンスマンJP 英雄編」「キンキーブーツ」など話題作への出演が発表されている城田優さん。その魅力について、専門家に聞きました。

城田優さん(2018年10月、時事通信フォト)
城田優さん(2018年10月、時事通信フォト)

 放送中のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土 前8:00)でナレーションを務める城田優さん。朝ドラ史上初の、3人のヒロインによって物語が展開していく同ドラマは、昭和、平成、令和の時代、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘3世代の姿を描いた100年のファミリーストーリーです。

 同作の他、今年は、冷酷なテロリスト役が話題を集めた「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(TBS系)や、来年1月公開予定の映画「コンフィデンスマンJP 英雄編」への出演、ミュージカル「キンキーブーツ」では、かつて、三浦春馬さんが演じたドラァグクイーン・ローラ役を引き継ぐことが発表されるなど、ドラマ、映画、舞台と幅広い活動が目立つ城田さん。その特徴や魅力について、作家・芸能評論家の宝泉薫さんに聞きました。

特徴がはっきりしている俳優

 城田さんは17歳のときに出演したミュージカル「美少女戦士セーラームーン」で地場衛(タキシード仮面)を演じ俳優デビュー。その後も「テニスの王子様」「スウィーニー・トッド」など舞台出演が続き、俳優としてのキャリアを重ねていきました。

 2006年には「純ブライド」で映画初主演。その後、「ハケンの品格」(日本テレビ系)や「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」(フジテレビ系)、「交渉人~THE NEGOTIATOR~」(テレビ朝日系)、「ROOKIES」(TBS系)などに出演し、2009年には大河ドラマ「天地人」(NHK総合)で自身初となる時代劇への出演を果たします。

 2010年に出演したミュージカル「エリザベート」ではその演技が高く評価され、「第65回文化庁芸術祭『演劇部門』新人賞」を受賞。以降、「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」(TBS系)や「GTO」(関西テレビ・フジテレビ系)、「表参道高校合唱部!」(TBS系)の他、映画「明烏」「亜人」、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」「ファントム」など、話題作への出演が相次ぎました。

 デビュー以降、幅広いジャンルでの活躍が光る城田さん。宝泉さんは「本格的なブレークがくるかもしれない」と分析しています。

「30代半ばに差し掛かり、このところの活動を見ていると、舞台や映画中心に本格シフトするのではと思っていました。しかし、今年の『TOKYO MER』や『カムカムエヴリバディ』のナレーション、来年の『コンフィデンスマンJP』や『キンキーブーツ』など、このところ、集中的に話題が出ていることには正直、とても驚いています」(宝泉さん)

「30代半ばというタイミングは、人によっては今後の方向性を模索するような時期でもありますが、城田さんに似たような感じの人は他に思い当たりませんし、露出も明らかに増えています。ここにきて、唯一無二の雰囲気、存在がより際立っている印象で、本格ブレークが始まるようなムードなのかもしれません」

 宝泉さんは、城田さんの特徴についても言及しています。

「ハーフ顔のルックスや高身長、歌唱力や語学力など特徴がはっきりとしていますが、中でも歌唱力は城田さんにとって大きな武器。歌がうまい役者はこれまでにもいましたが、その中でも群を抜いている印象ですし、これまでのキャリアを振り返ってみても、この抜群の歌唱力があったことで評価されたことや、時折、歌番組で見る歌唱姿、特に女性とのデュエットがすごく絵になって、その美しい立ち居振る舞いに驚かされます」

「また、英語やスペイン語が話せることも『カムカムエヴリバディ』のナレーションや映画『コンフィデンスマンJP』への出演にもつながったはずです。見た目的にもスケールの大きい俳優なので、それに見合ったスキルを自らの努力で習得しつつありますし、話題を集めた『TOKYO MER』でのテロリスト役も説得力があって見事でした。これまで積み重ねてきたものが今、いろんな形となって花を咲かせているのでしょう」

転機となった「セーラームーン」「天地人」

 これまでの出演作の中に、俳優として転機になった作品があると宝泉さんは言います。

「本人も語っていましたが、ミュージカル『セーラームーン』への出演は一つの大きな転機でした。それまで、ドラマや映画のオーディションに落ちまくっていましたが、背の高さや彫りの深い顔立ちがミュージカル向きだと言われ、加えて、抜群の歌唱力を持つ城田さんがその後、水を得た魚のように飛躍していったことからも、『セーラームーン』との出会いは運命的なものだったのかもしれません」

「もう一つの転機は、真田幸村を演じた大河ドラマ『天地人』への出演で、時代劇で日本人の武将をやるとなったとき、自分のビジュアルが合うのかと抵抗があったようですが、『風林火山』でGACKTさんが上杉謙信を演じたように、大河ドラマでは時折、思い切ったキャスティングを行うことがあります。

ただ、それは単なる起用というわけではなく、ちゃんと選ばれたということであって、それまで積み重ねてきたものが信頼につながり、城田さんなら違和感ではなく、新鮮な輝きを見せてくれるはずだという期待の表れでもあったように思うのです」

 宝泉さんは、城田さんの今後についても大きな期待を寄せています。

「『カムカムエヴリバディ』でのナレーションは時折、英語を織り交ぜながら、その心地よい声が評価されていますが、城田さんはあくまで、役者。演者として作品にも出演しつつ、ナレーションを務めているということであれば、ヒロインを見守っている感が醸し出され、あの声と相まって、優しい感じがより強く出るはずです。今後どうなるかは分かりませんがこの先、演者として出演することを期待してしまいます」

「『コンフィデンスマンJP』と『キンキーブーツ』については、三浦さんのファンも納得できるようなキャスティングだと思いますし、城田さん以上に務まる役者もいないでしょう。実力、実績ともに申し分ないですし、どちらにも共通するのは、城田さんならやってくれるという期待と信頼を感じ、その存在がしっかり評価されていることの表れでもあるのです」

(オトナンサー編集部)

宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

コメント

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3件のコメント

  1. 春馬ファンはキャスティングに納得してないし、「ローラは三浦春馬一択」のタグが長々とトレンドに載るぐらい特にローラのキャスティングには反発が多かったよ。出鱈目書くのやめてもらっていいですか?痛々しい。白々しい。
    これでは余計反感買います。

  2. いつも仕方なく流れていく記事を、見たくもない記事を見ている。
    毎回つまらない記事。どこかに忖度している記事。
    こんなの書いていて、お金がもらえるなんて。素敵な仕事ですね。

  3. 城田優さんのファンです。
    良い評価をしていただいたのはありがたいですが、三浦春馬さんの名前を出されたことに困惑しています。
    他の方のコメントからもわかるように、SNS上には春馬ファンを名乗る方々からの罵詈雑言があふれています。
    特にこの記事が出た20日は、IMYの初舞台初日という晴れの日だったにもかかわらず、この記事のせいでまた見たくもないコメントが並び、嫌な気持ちになりました。
    何故最後の一文を書いたのですか、それがなくとも文章的には問題なかったでしょうに。
    Yahoo!のこの記事のコメント欄を見てください、とても荒れています。
    この記事が逆効果を生み出してしまったこと、残念に思います。
    今後、三浦春馬さんの名を記事に出す際は、現状をよく考慮し、慎重に扱うよう気をつけていただきたいです。