今年も事故多発! 「スキー」を安全に楽しむための心得とは
雪崩の有無を見分けることはできる
スキー客の事故の多くは、雪崩に巻き込まれたことによるものと考えられます。雪崩の危険ポイントは全国に2万カ所以上あるとされ、スキー場でも注意喚起がなされていますが、では、雪崩が発生しやすい場所を見つけることは可能なのでしょうか。
坂本さんによると、答えは「イエス」です。まず、着目すべきは木の本数といい、「木が生えていない場所は一度雪崩が起こった場所。つまり、もう一度起こりうる可能性があると考えてよいのです」。
さらに正確にポイントを見極めたいなら、知っておきたいのが「弱層」の見方。雪崩の中でも、特に事故につながりやすい「表層雪崩」は、積雪内にある数ミリ~数センチの崩れやすい弱層から発生するといいます。坂本さんによると、シャベルで1メートルほど雪を柱状に掘り出せば、弱層があるかどうかを判断することができるそう。
「雪の柱の上部をシャベルで叩いた時、亀裂が入って崩れるのは弱層のサイン。強い衝撃でも壊れないことが必須です」
また、もしも雪山で遭難して道が分からず、辺りが暗くなってしまった場合は、むやみに動かず明るくなるのを待つのが鉄則。その際は、かまくら状に雪を掘って、雪や風を避けることを心がけます。坂本さんによると、この際に工夫したいのは、「風が入りにくい方角」に向けて「小さめの入り口を作る」こと。さらに、ナイロン製の布やビニールなどで入り口をふさぐと、より効果が高まるそうです。かまくらの中では、暖を取りながら待機し、明るくなってからGPS(全地球測位システム)などを使って来た道を辿れば、遭難を防ぐことができます。
雪山で遭難しかけた場合、無事に帰還できるかどうかのカギは「保温」にあると言えるかも知れません。
(オトナンサー編集部)
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